今日は『モアナと伝説の海』について紹介します。

まとめると「観ていて疲れない王道の海洋ファンタジーアドベンチャー映画」でした。

あらすじ

https://www.youtube.com/watch?v=E4RMMrLxiWw

 

『アラジン』『ヘラクレス』などのロン・クレメンツとジョン・マスカー監督が再びタッグを組み、南太平洋に伝わる不思議な伝説を基に描くアニメーション。幼少時のある出来事をきっかけに海と強い絆で結ばれた、16歳のヒロインの大冒険を描写する。新人のアウリイ・クラヴァーリョがヒロインに抜てきされた。南太平洋を舞台につづられる少女のアドベンチャーと、その歌声に魅せられる。

(youtubeより)

 

概要

太平洋を舞台に、海に選ばれた少女モアナが故郷の島を救うため、

半神半人のマウイと共に様々な冒険を繰り広げるアドベンチャー活劇。

作品のポイントは、

  1. ディズニー史上最強クラスのプリンセス
  2. モアナ~怒りのデスロード~
  3. 何も考えずに楽しもう

スピード感があり爽快な、観ていて気持ちいいディズニー映画だと思います。

 

以下で解説をしていきます(※ネタバレを含みます)

ディズニー史上最強クラスのプリンセス
 

今作品の主人公「モアナ」は太平洋の島の村で生まれ育った少女。

村長の娘として、将来は村長になるべく大切に育てられてきました。

 

島には「サンゴ礁を越えてはならない」という掟がありました。

それは外海には様々な危険が潜んでいて、掟を破ると災いが起こると信じられていたのです。

 

一方でモアナは小さいころから海に興味津々。厳しい親の目を盗んで、何度も海に出かけようと企てます。海が大好きなモアナですが、それもそのはず、実はモアナ「海に選ばれた少女」だったのです。

さて海に選ばれた少女とはなんぞや?ということですが、要するに、海が味方になってくれる特異体質、のようなもののようです。

マウイが船から逃げようとしたり、ヘイヘイが船から落ちたら、自動で海が動いて船に押し戻してくれる。まるで海を操っているかのうようですが、マウイ自身も自在に海を操ったりできるわけではありません。海を操るというよりも、海が友達のようにサポートをしてくれる、といった感じでしょうか。

海洋物語において海が味方だったらもう無敵の気がしますが、なんでもかんでも思い通りに味方してくれることもなく、むしろどうでもいいところで仕事をする、ままならない存在の「海」。

ある意味、自然はままならないとかそういうメッセージなのでしょうか。もし海を自由に操れていたら、船なんて操縦しなくてもよくて難破や沈没の心配もなし、出会う敵は一瞬で殲滅できるし、全身が溶岩でできたラスボス(水が弱点)も瞬殺できていたことでしょう。

とはいえ、やはり海が味方というのは相当な能力といえます。

ただ、モアナのすごいところは、この特異体質に甘んじず、個人としてもかなりの身体能力と度胸の持ち主だということでしょう。

小さいころから自然豊かな島でのびのびと育ったからか、運動神経は抜群のようです。

 

それが最も発揮されたのは、マウイとの出会いのシーン。

マウイに嵌められ、危うく巨岩の洞窟のなかに閉じ込められそうになりますが(マウイもやることがなかなかエグい)、抜群の身体能力を駆使して洞窟から脱出します。

他にも、道中出くわした「カカモラ」というココナッツの海賊に襲われた時も、

オールを使って敵をなぎ倒しながら、船から船へと飛び移り、そのスペックの高さと度胸を見せつけます。

最近のディズニーはプリンセスが強い作品が目立ってきた気がしますが、モアナはその中でも群を抜いた能力値を持っているようです。単に勇気だけの持ったお転婆娘とはわけが違う、ある意味最強のディズニープリンセスと言えるでしょう

モアナ~怒りのデスロード~

モアナの劇場公開時、ネット上では「モアナ~怒りのデスロード~」というギャグコピーが流行りました。もちろんこのコピーは、当時話題になっていた「マッド・マックス~怒りのデスロード~」からとったパロディーです。

 

なぜこのようなギャグコピーが生まれたのかというと、モアナが周りの予想に反して、思いのほか激しいバトルムービーだったため、さながらマッドマックスのような狂気の世界と重ねられたのだと思います。

たしかにモアナは一見、ディズニーによくあるようなキュートなキャラクターに囲まれ、ぬるい冒険をする話に思えるのですが、実際は荒れ狂う海と戦い、自分の命を確実に奪いに来る様々な敵と交戦します。

目的を達成するために死線を潜り抜けていく壮絶な物語は、観客の予想をいい意味で裏切ったことは間違いないでしょう。

「アナと雪の女王」ような爆発的なヒットとはいかなかったものの、興行収入も50億円超えのなかなかの人気作となった背景には、まどろっこしいロマンス抜きの、意外なまでに振り切った作風が影響を及ぼしたのだと考えられます。

何も考えずに楽しもう

モアナの元ネタは、南太平洋に存在するポリネシアから来ています。

かつては偉大な冒険者だったポリネシアン人は、なぜある時を境に冒険をやめてしまったのか…その謎が制作者のインスピレーションを生んだようです。

この映画のメッセージとしては「自分自身の心の声に従って、勇気を出して踏み出そう。外には素晴らしい世界が広がっている」といったところだと思いますが、そんなことは二の次で大丈夫。

メッセージや背景など捨て置いて、純粋に映像と音楽のエンターテインメント作品として楽しむのが一番だと思います。

 

 

もちろん敵味方含めて愛らしいキャラクターがたくさん登場し、笑える場面も散りばめられています。

綺麗な映像とノリの良い音楽、テンポが良く疲れない展開、最後はハッピーエンドですっきり終わるのは、まさに王道エンターテインメントなので、ぜひ観てみてください。