久しぶり?の読書記録。

『推し、燃ゆ』は三女に貸す予定なので、早く記録しなきゃ…と3冊まとめて記録します。

あくまでも自分用なので、「なに言ってんだか…」な内容ですがご容赦ください。

 

 

 

宇佐見りん『推し、燃ゆ』(2023年7月、河出文庫)

概要(巻末)

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」。高校生のあかりは、アイドル上野真幸(マサキ)を解釈することに心血を注ぎ、学校も家族もバイトもうまくいかない毎日をなんとか生きている。そんなある日、推しが炎上しー。第164回芥川賞受賞のベストセラー。時代を映す永遠の青春文学。 解説=金原ひとみ

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出だしからずっと、うちの二女の世界観と近いんだろうなぁ…と思いながら読み進めた。

推しのいる充実感と背中合わせの、現実世界の生きづらさ。それでも日々なんとか溺れず(溺れているのか?)に主人公のあかりが生きている感じが生き生きと描かれている。凄みすら感じた作品だった。

ネットでのみ出会う人から、大人びている、しっかりしてそう…と評されたりする辺りも、二女に共通するところがある。

巻末の著者あとがきにあった、

「…頼れる大人は一見厳しく、寡黙で、とっつきにくく見える。頼れない大人は自分を持ち上げてくれる生徒にだけ銚子のいいことを言い、そうでない生徒を、言葉を持たない未成年であるのをいいことに傷つける。口を閉じている存在を軽んじる先輩や大人にはどうか背を向けて、心の柔らかい部分をまもって生きてもらえたらと願っている。」

との読者への言葉は、このまんま10代後半の頃の二女に贈りたい。

二女はまさに、頼れない大人(彼女の父、私の元夫)に傷つけられて育ったからだ。

 

 

三浦しをん『木暮荘物語』(2014年10月、祥伝社文庫)

概要(巻末)

小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、二階建て全六室のおんぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前の愛あるセックスに執念を燃やす大家の木暮老人と、刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことが生き甲斐のサラリーマン・神崎と、姿を消した恋人を想いながらも別の男性からの愛を受け入れた繭。一見平穏な木暮荘の日常だが、それぞれが「愛」を求めたとき、痛烈な哀しみがにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請のぼろアパートだからこそ生まれる人のぬくもりだった……。直木賞作家が紡ぐおかしくも温かな人間物語。

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7編の短編集のようでいて、いずれもこの「木暮荘」やその周辺の人々のそれぞれの物語で…。

読んでいて、なんだか生々しい感じさえして、とても面白い時間をもらったように感じた。

 

 

川上未映子『夏物語』(2021年8月、文春文庫)

概要(巻末)

大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。

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652ページと1冊の本としてはとても読み応えがあった。

母、祖母、姉、めい、自分の身体、仕事、まだ見ぬ我が子…といろんなことに思いを馳せながら生きる夏子が、とても魅力的だった。私はこんなに考えて生きてきたか自問自答したけれど、答えは「否」だ。

とりあえずここから(今から)生き始めようと思った。