また行きたいと思う海は?
▼本日限定!ブログスタンプ
世界海洋デーとは?具体的に何をする?目的やテーマ、私たちにできることも
世界海洋デーとは
![イメージ画像](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2021/12/image-92.jpeg)
「世界海洋デー(World Ocean Day)」とは、海と人のつながりや、海の大切さ、海を守る方法などについて考える日のことです。
主に、
- 人間の行動が海にもたらす影響について考える
- 海洋保護のための国際的な市民運動の促進
- 海洋の持続可能な管理プロジェクトを進めるために世界中の人々と団結する
などを目的に制定されました。
世界海洋デーは、国連によって年ごとにテーマが設定されており、世界各国でイベントが開催されます。
歴史
世界海洋デーは、1992年にリオデジャネイロで行われた地球サミットにて、カナダが「世界海洋デー」の構想を提案したことがきっかけとなり始まりました。その後、2002年にはオーシャンプロジェクトが各国のパートナーと協力し、世界海洋デーの世界的な推進と調整を開始しています。
2003年には、世界海洋デーに関するイベント主催者を支援するWEBサイト「World Ocean Day」も開設されました。そして、2008年12月に開催された国連総会にて、「2009年から、6月8日を世界海洋デーにすること」が正式に決定しました。
なぜ世界海洋デーが必要?
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-55.jpeg)
世界海洋デーが必要な理由として、下記の問題が挙げられます。
海洋プラスチックごみ問題
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-9.png)
近年問題になっている海洋ごみですが、その中でも最も多いのが「プラスチックごみ」であり、全体の65.8%を占めています。毎年、約800万トン(ジャンボジェット機5つ分)ものプラスチックごみが海に流出しているのです。そして、プラスチックは消失しにくい素材のため、物によっては400年以上も海中を漂うこともあると言われています。
また海洋生物たちへの影響も大きく、魚類や海鳥、ウミガメ、海洋哺乳類などが被害に遭っています。これ以上の被害を増やさないためにも、プラスチックごみ削減に取り組まなければいけません。
【関連記事】プラスチック問題とは?現状の排出量と環境・海への影響、SDGsとの関連性
海洋酸性化
海洋酸性化は、本来弱アルカリ性である海水が酸性になる、または酸性に近づくことです。これにより、
- 地球温暖化が加速する可能性
- 海洋生物の成長を阻害
- 漁業における予測が立てにくくなる
などの問題が懸念されています。
【関連記事】海洋酸性化とは?原因や生物に与える悪影響をわかりやすく解説
増加する水産物需要の裏で起きている乱獲やIUU漁業
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-1024x528.gif)
近年、水産物の需要は世界的に高まっており、1人あたりの魚介類の消費量は、過去半世紀で約2倍に増加しています。国連も、2040年の世界人口が90億人になると予測しており、世界の水産物需要はますます増加していくでしょう。しかし世界の水産資源は、満限利用状態が53%、過剰利用または枯渇状態が32%と、あまり良い状況とは言えません。
過剰利用や枯渇状態の原因の1つとして乱獲やIUU漁業(※)が挙げられます。このまま、海洋環境や生態系に配慮せずに獲り続けると、海洋生態系のバランスが崩れ、水産資源の減少に拍車をかけてしまうでしょう。
(※)IUU漁業
違法・無報告・無規制で行われる漁業のこと
これらの問題が発生しているため、その現状を知り、「どのような対策がとられているのか」「私たち個人にも、できることはないのか」と調べ、行動に移すために世界海洋デーは必要なのです。
世界海洋デーのテーマ
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-56.jpeg)
先述した通り、世界海洋デーは年ごとにテーマが設定されています。例えば、2009年に初めて開催された世界海洋デーのテーマは、「Our oceans, our responsibility(私たちの海洋、私たちの責任)」でした。そして、2023年に設定されたテーマは「Planet Ocean: Tides are Changing(プラネットオーシャン:潮流の変化)」です。
2023年のテーマは「Planet Ocean: Tides are Changing」
2023年のテーマである「Planet Ocean: Tides are Changing(プラネットオーシャン:潮流の変化)」には、海洋問題に対する意識(潮流)も変化しつつあるが、更なる変化を目指して、行政や研究機関、NGO、企業、個人などすべての人々が、一丸となり取り組んでいくことを促進しようというメッセージが込められています。このテーマを基に、さまざまな企業や団体がイベントを開催しています。
世界海洋デーは何をする日?
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-57.jpeg)
では、世界海洋デーは具体的にどのようなイベントが開催されているのでしょうか。
世界で開催されたイベント
まずは、世界で開催されているイベントを見ていきましょう。
【国連】「UNWorldOceansDay2023」
国連は、世界海洋デーである6月8日に、オンラインイベント「UN WorldOceansDay2023」を開催しました。このイベントでは、あらゆる分野で海洋を優先する必要性についての議論が行われ、国際宇宙ステーションからのメッセージも上映されました。その他にも、世界海洋デー写真コンテストの受賞者の発表なども行われています。
イベントの様子は下記URLから視聴できますので、気になる方は覗いてみてください。
>> UNWORLD OCEANS DAY2023公式サイト
【Ocean Week Canada】多様な海洋関連のイベントを開催
Ocean Week Canadaは、世界海洋デーを含む6月2日~11日の期間に行われる海洋イベントです。期間中は、ビーチクリーンやワークショップ、映画の上映、アート展示、講座など、多様な海洋関連イベントが開催されます。参加者は、このイベントを通じて、海が私たちの生活の中ではたしている重要な役割や、人と海とのつながりなどを認識できます。
【Twinkl 】海洋生物に関する教材や子供向けの海洋保護活動への参加方法を公開
幼児から小学生を対象とした、知育・学習教材の出版社であるTwinklは、2023年の世界海洋デーに向けて海洋生物に関するゲームやパズル、電子書籍などを公開しました。そのなかでも「World Ocean Day lapbook(世界海洋デーのラップブック)」は、「子どもたちが海洋について学ぶ方法として、最も実践的な方法だ」と評価を得ています。
さらにTwinklは、オーシャンプロジェクトと協力し、小さい子どもたちも海洋保護活動に参加できる方法をブログに投稿しました。
(※)ラップブック
アメリカのホームスク―ルの先生が考案した、紙製のフォルダーを使ったプレゼンテーションボード
日本で開催されたイベント
日本でも、様々なイベントが開催されています。
【日本財団】「春の海ごみゼロウィーク2023」
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-58.jpeg)
「海ごみゼロウィーク」とは、海洋ごみ問題へ対する活動を広めようと、「海ごみゼロ」を合言葉に、日本財団が2019年から開催している全国一斉清掃活動です。期間は、5月30日の「ごみゼロの日」と6月5日の「環境の日」、そして6月8日の「世界海洋デー」を含む、5月27日~6月11日までとなっています。
期間中は、ユニークなイベントが多数開催されます。例えば、今年の海ごみゼロウィークのキックオフイベントでは、「コスプレde海ごみゼロ大作戦2030」と題し、コスプレイヤーの人々が大阪府なんばの街を清掃。その後、きれいにした街の中で撮影会を行います。毎年SNSでも盛り上がるイベントの1つとなっています。
またイベント以外にも、個人でごみ拾いを行い、SNSに「#umigomi」をつけて投稿するという参加方法もあります。
【株式会社サンリオ×南房総市】海洋ごみからできたアート動画を公開
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-59-1024x576.jpeg)
南房総市は、以前から海洋汚染問題に対する取り組みとして、月1回のビーチクリーンの開催と、回収した海ごみをアート作品にする活動を行っています。今回は、SDGsについて動画配信を行っている株式会社サンリオが活動の様子を取材し、世界海洋デーの日に公開しました。
動画では、プラスチックごみや南房総市の浜辺の現状、活動の様子などが分かります。「世界海洋デーだから何かしたいけれど、忙しくてイベントに参加できない」という方にも、動画の視聴であれば気軽にできるためおすすめです。
世界海洋デーに私たちができること
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-60.jpeg)
ここからは、私たちにできる取り組みを紹介します。世界海洋デーが過ぎても、取り組めるものばかりですのでぜひ参考にしてみてください。
まずは海洋環境や生態系の現状を知ろう
まずは世界や日本の海の現状、どのような問題が起きているのかなどを調べてみましょう。
「海洋環境を改善したいから、ごみ拾いをする」「持続可能な方法で獲られた水産物を購入したいから、認証マークのついた製品を選ぼう」など、自身が行うアクションに、どのような効果があるのか理解したうえで行動できるようになれば、継続にもつながるはずです。
プラスチック製品の使用を控える
プラスチック製品の使用を控え、ごみを生み出さないようにすることも大切です。
主な行動としては、
- 外出先でペットボトルの飲み物を購入するのではなく、マイボトルを持ち歩く
- レジ袋やプラスチックカトラリーを受け取らない
- 過剰包装ではない製品を選択する
- 使い捨てのビニール傘の使用を控える
- プラスチック製品を購入する前に、代替できないか考える
- 使用した場合は決められた場所に捨てる(放置したりポイ捨てをしたりしない)
などが挙げられます。
今日からでも始められるアクションばかりですので、ぜひチャレンジしてみてください。
魚介類を購入する際は認証マークがついたものを選ぶ
海洋環境や生態系に配慮し、持続可能な方法で獲られた水産物には「MSC認証マーク」が、養殖された水産物には「ASC認証マーク」が付いています。私たちが認証マークのついた水産物や加工品を選ぶことによって、持続可能な海洋環境や水産資源の保全につながります。
最近は、自社製品にMSCまたはASC認証の水産物を活用している企業も多く、
- マクドナルド
- イオントップバリュ
- IKEA
- セブン-イレブン
- co-op
- マルハニチログループ
- ニッスイグループ
などが取り扱っています。
どちらも魚のマークがついているため見つけやすいと思いますので、水産物を購入する際は探してみてください。
街中や浜辺のごみ拾いに参加する
「海洋ごみ」を削減するために、ごみ拾いを個人で行ったりイベントに参加したりしましょう。海洋ごみの8割は街からきていると言われているため、街中のごみ拾いも海洋環境や生態系の保全につながります。なかには、ごみ拾いをしながら通学や通勤している人もいるようです。
また最近は「スポGOMI」や「清掃中」など、ゲーム感覚で楽しくごみ拾いを行えるイベントも増えています。世界海洋デーに合わせて開催するごみ拾いイベントも多いため、職場の人や友人を誘って参加してみましょう。
【関連記事】ビーチクリーン活動に参加しよう|参加方法や服装・持ち物、取り組み団体の紹介も
世界海洋デーとSDGs
![](https://spaceshipearth.jp/wp-content/uploads/2023/08/image-61.jpeg)
最後に、世界海洋デーとSDGsの関係性を見ていきましょう。
SDGsとは、2015年9月に開催された国連総会にて、193カ国が賛同し決定した国際目標のことです。地球上で起きている、環境・社会・経済の課題を解決するために、17の目標と169のターゲットが設定されました。
現在、政府や企業、個人が、2030年までにすべての目標達成を目指し、様々なアクションに取り組んでいます。そして、世界海洋デーをきっかけに、海洋環境や生態系について考え行動に移す人が増えると、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」の達成につながると期待されているのです。