認知症の症状がある人を介護するご家族を苦しめて疲弊させるものは、目の前にいる認知症の症状がある人の実際の状態(症状)と、ご家族が望む期待(いつまでも道理をわきまえた人らしくあってほしい、ああなってほしい、こうなってほしい)という願いや、症状を発症する前の元気だった、しっかりしていたイメージとのギャップやズレがあるからです。

このギャップが大きくなるほど浮かんでくる期待や過去の元気でしっかりしていたイメージ、苛立ち、悲しさなどのつらい感情が増してしまうのです。
しかし、このように悩むことは特別なことでも間違ったことでもありません。
人は誰でも自分が思い描く理想を求め、理想通りに物事が動いて欲しいと願うのは普通なことなのです。
問題なのは、現実を受け入れずに、自分が望むことを追い求めるばかりだと、悲観と絶望という苦悩の底なし沼にはまっているのに、もがき続けてさらに深みにはまってしまうのに気付けないのが問題なのです。