マインドフルネスをご存知でしょうか?
マインドフルネスは、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏、セールスフォースCEOのマーク・ベニオフ氏と言った名立たる経営者、そしてGoogle、Facebook、Yahoo!といった企業が研修として取り入れ、シリコンバレーで発展を遂げ、それが日本に紹介され一時ブームとなり多くの企業が取り入れました。
マインドフルネス=「瞑想」=「呼吸法」「座禅」「ヨガ」「リラクセーション」と捉えている方が多いのではないのでしょうか?
ブーム到来時、残念ながらマインドフルネスは十分な科学的根拠による裏付けを伴わないまま一般の人々に広がってしまいました。
その後の検証でマインドフルネスは、不安、うつ、痛みの治療には中等度の効果が認められるにとどまり、ストレスを軽減したり、QOL(生活の質)を向上させたりする効果はわずかである事実が示されています。但し、QOL が向上したのは被験者がスピリチュアルに傾倒していたから成果があがったのではないかと考察されています。
また、薬物乱用や摂食障害、睡眠障害、体重管理にマインドフルネスが役立つとのエビデンスも得られていません。
ビジネスパーソンの間で期待される「創造性」が高まる効果も実はほとんど効果がありません。
2時間のマインドフルネスを2年間毎日行って少し「創造性」が高まるかな?程度です。
でも、こんなことを言ってしまうと商業的に旨味がなくなってしまうので、この事実は伏せられています。
では、マインドフルネスとは何なのでしょうか?
マインドフルネスの第一人者である、マサチューセッツ大学医学部名誉教授ジョン・カバットジン博士は、マインドフルネスの定義について「ある特別な方法で注意を払うこと:意図的に、今この瞬間に、判断することなしに」と述べています。
「マインドフル(充分に注意している)」 + 「ネス(状態)」
→「マインドフルネス」 =「充分に注意している状態」
マインドフルネスを行うことで何が役立つのでしょうか?。
もともとマインドフルネスは 一般の人を対象にしたものではなく、精神疾患を抱えたクライエントに対して治療プログラムのために考えられたものです。
認知療法や認知行動療法の治療プログラムが頭打ちとなって、それを打破するために考えられた療法で、特にうつ病の治療プログラムへの効果を期待されたものです。
まず、うつ病の方は、常に頭の中の会話(内言語行動)で、現実に起きていないネガティブなバーチャルをあたかも真実であるかのように認識・捉えてしまい、そのネガティブから回避・逃避し続けることで自分の暮らしを狭めてしまい、自分自身で首を絞める行動をしてしまいます(本人は無自覚に行動しています。逆に良くなると思って行動しています)。
そこで、マインドフルネスを行うことで、今目の前で起きていること、行っていることに
「マインドフル(充分に注意している)」 + 「ネス(状態)」
→「マインドフルネス」 =「充分に注意している状態」にして、頭の中に自動的に流れている思考に気づき、その思考が良い悪いの判断をせず、囚われず距離をとり、また、目の前のことに「充分に注意している状態」にして戻ります。
つまり、今を過ごす上で余計なこと(未来のこと、過去のこと)に注意を向ける=囚われないためには、「今、ここ」に注意を置き、今目の前のことややっていることに注意をコントロールするためのトレーニングがマインドフルネスの目的の一つです。
で、マインドフルネスをするのに取り組み易いのが「瞑想」や「呼吸」だっただけなので、別に瞑想や呼吸に拘る必要はなく、手のひらの指紋を凝視してもいいですし、陶芸や編み物、歩く、食べる、家事でも何でも今目の前で行うことにマインドフルネスをすればよいのです。
マインドフルネス認知療法や低減法など、毎日一定のプログラムを8週間続けることで、不安、うつ、痛みの治療には中等度の効果が得られるのです。
ただ、マインドフルネスで得られる効果は中程度と言われていように、マインドフルネスだけでより良い効果が得られるものではなく、コミットメント&アクションを実施することで初めて効果を得られることは知られていません。
でも、マインドフルネスの効果を全面的に否定しているわけではありません。
実は、わたしは認知症の症状がある人で情緒反応(イライラ・不安・怒り・恐怖など)が強くて、それが引き金となってBPSDが出てしまう方に対してマインドフルネス(的)なことを介入プログラムとして行います。
マインドフルネス(的)としているのは、認知症の症状がある人の頭の中の会話(内言語行動)がどうなっているのかは、わたしには調べようがないからです。
認知症の症状がある人に、目の前にことに意識し注意を向ける=「マインドフルネス」 =「充分に注意している状態」を一日3回実施することで情緒反応の低減の効果は得られています。
やり方は、次回ご紹介します。