新年あけましておめでとうございます。

本年も、認知症の症状によって暮らしで困られているご本人やそのご家族、そして介護医療の専門職の方に

少しでもお役に立ててられる情報をブログにアップしていきたいと思います。

 

認知症の症状がある人にある行動をしてもらいたいときに、私たち介護者側は「〇〇しましょう」「〇〇です。〇〇しますよ」と声を掛けて、その〇〇を行ってもらおうとします。

 

この「〇〇しましょう」「〇〇です。〇〇しますよ」は、介護者側が既に何をするか予定を立てているから、そういった声掛けをするのですが

 

声を掛けられた認知症の症状がある人にとって、その声掛けは「唐突」なのです。

 

予測していなかったことを唐突に「〇〇しましょう」「〇〇です。〇〇しますよ」と言われると、情動反応(不安や緊張、苛立ち)が誘発されて、

戸惑い、混乱してしまいます。

 

不安や緊張、苛立ちの情動反応により、戸惑い、混乱することで不適切な行動(BPSD)に繋がりやすくなります。

 

また、「〇〇しましょう」「〇〇です。〇〇しますよ」という声かけは、既にやるべきことが決められています。

 

認知症の症状がある人にとってほかにやりたいことがあるのに、選択権がない状態です。

 

私たちでも、例えば自分の仕事をしているのに突然上司から「〇〇を今からやって」と指示されるとどう感じますか?

 

上司からの指示命令なので言いたいことも言えず、心の中で「なんだよ。今〇〇をしているのに!!」とモヤモヤしたりイライラしたりしながら上司に言われた業務を渋々起こった経験をしたことはありませんか?

 

認知症の症状がある人だって、同じ気持ちを抱きます。「突然そんなこといわれても・・・ほかにしていることやしたいことがあるのに・・・イライラ」という具合に。

 

しかも、認知症の症状がある人は日常的にこのような状況にさらされているのです。

 

そこで、私たち介護者側は認知症の症状がある人にすべきことは、必ず選択権をもたせてあげることです。

 

今日はまたは今から「何をしたいですか?」とやりたいことの選択権と、今日はまたは今から「何をやりたくないですか?」のやりたくないことの拒否権です。

 

また、ある程度、その日に予定された行動をしてもらう必要がある場合は、あらかじめその日の予定を記したカードやパネル、予定表を事前に用意して認知症の症状がある人に提示しておきます。

 

予定を示すものを作る時には、認知症の症状がある人が理解しやすい文字の大きさ、用件を簡潔明瞭に文字化しましょう。

 

行動を促すための音声による指示は、記憶障害がある人にとっては指示が耳に入ってもその内容がかき消されてしまい「何を言われたかわからない」状態となりやすいので情動反応が誘発されやすいですが、予定を記したカードやパネル、予定表を活用することは、視覚的に働きかけることで、これからの予定ややることが理解しやすくなり不要な情動反応の誘発を予防することができます。

 

あらかじめ予定表などを準備していても記憶障害により忘れてしまう可能性は高いので、そんなことやっても「無意味でしょ」という

声も聞かれます。確かに、認知症の症状がある人に伺うと「忘れてしまう」と言われます。

 

やるべき予定を忘れてしまうので、介護者側の行動を促す声掛けは唐突なものになりますが、予定を記したカードやパネル、予定表を指さして「ほら、これから〇〇の時間ですよ」と説明をされることで「自分がやるべきことを受け入れやすい」と言われます。