心身共に健常な人にとって、自分の意志や要求を声に出して話すことはさほど負担は少ないと思います。

 

しかし、脳にダメージを受けている人にとっては負担があります。

 

話したいことを相手に伝える行動の随伴性(好子出現の強化)はあるのですが・・・

 

頭の中の思考を発生することや発生自体に大変な労力を伴います(嫌子出現の弱化)。

 

認知症の症状を有する人や高次脳機能障害を抱える人は

 

言語表出の機能に損傷を受けるということは、行動随伴性も変えてしまうのです。

 

その状態で、自分の意志や要求を伝えて、自分の欲することを獲得するために

 

少しでも労力が少ない方法で得ようとした行動が、周囲からは「困った行動」として捉えられてしまいます。

 

例えば、老人ホームという集団の生活の場で、ケアスタッフと話がしたいと思ったときに、

 

「すみません」「ねえねえ」という伝え方の場合、ケアスタッフが立ち止まって話を聞いてくれる

 

自分に注意を向けてくれる確率は低く

 

「ちょっと待っててください」と言われることが多いです。

 

しかし、「財布盗ったでしょ」「家に帰ります」「ギャー」と騒いだ方が、ケアスタッフが関わってくれる確率は高まります。

 

 

 

このように、はじめは「すみません」「ねえねえ」等の要求の仕方で、自分の欲する要求を得ようするが、それがうまくいかないと

 

少しでも労力の少ない方法で、欲するものを得ようとします。

 

本来欲する、ケアスタッフとの楽しいコミュニケーションや好意的な注意引きをしたいんたけど・・・


頭の中の思考を発生することや発生自体に大変な労力を伴う・・・


やっと声を掛けてもケアスタッフは立ち止まってくれない・・・

 

「すみません」「ねえねえ」のやり方がうまくいかないなら・・・

要求が通らないのなら・・・・

 

無視され続けられるより、ケアスタッフが困った表情うんざりした表情でもいいから、「わたしに注目して」と思ってしまったら

 

ケアスタッフが対応に苦慮する、対応せざるを得ない方法で行動(いわゆるBPSD)してしまうでしょう。

 

認知症を有する人の、表面的な行動に惑わされず、その行動の機能(理由)を分析して、注意引きのためにしている行動であれば、

 

困った行動をされる前に、ケアスタッフ側から 適切なコミュニケーションを図るようにしてあげましょう。