
かねてから面白いと噂に聞いた愛農学園という三重県にある私立全寮制農業専門高等学校の教頭のお話会へ。(もちろん私達が三重県に行ったのではなく、教頭が三重県から生徒の研修のためにいらしていたのです)
「農業者である前に、人間たれ!」と言うのが創設者のモットーだったという、自然農!をもう55年も前から学校の方針として教育するあまりに先進的な、高等学校。
糞尿を50ヘクタールほどの畑や田に堆肥にしてまいてみたら窒素過多になったから、乳牛は五十頭から三頭に減らしたという、、、これは自然農をある程度勉強した人間から見ると、あまりに理に叶う、そして、あまりに現代消費者の需要には沿わない(消費者の健康管理がまちがっているからなんだけどね)継続可能な農業の姿。
さあ、自然の循環としての継続は可能でも、果たしてそれが経済活動としてなりたつのか???
なんと学費から寮費から食費からお小遣いまで合わせても一人月七万かからない上に、1クラス25人という少人数制で、55年続いてるんだねこれが!!(10年前の公立高校の寮で、月間七万某かかってましたよ。比較でいうと。)つまり、農産物がきっちり販売ルートを作ってるわけです。
教育の現場としてみても、素晴らしく先進的。二年学んで三年生になったときにはすでにその、50ヘクタールほどの田畑の管理が出来るようになっているという!!育てて加工するだけでなく、それを売って桁剤活動としても成り立たせることまでね!
一緒に行った友達と、「えー!子供はともかく、私が行きたいんですけど!!高校って二回行っちゃいけないんですか?」としつこく聞いたくらいには、すごい、、、ちなみに彼女は北海道大学、私は帯広畜産大学で農業をかじっている。でも絶対に大学で学んだことより愛農学園のほうが面白くて体力も知力もつくと思う!!!
経済活動としての農業が続いている、ということはつまり、教員はもちろん、生徒たちが朝から晩まで学びながらものすごい勢いで働いている、ということでもあると思う。
朝、ひと働きしてからの朝食の食堂は、一生懸命食べる生徒たちの熱気で溢れているとか。
中学で摂食障害や不登校だった子供たちが、みるみる元気になっていく学校!
食べることイコールコンビニやスーパーで買うこと、になっている現代社会の中で、確かに、まともな農業は人をまともに幸せな人間たらしめるのだと、改めて思いました。
この学校では、携帯や、スマホは持ち込み禁止になっています。人間の教育をするなら、これも当たり前だと私は思います。