引き続き41日発行「広告と経済」で発表された

主要広告代理店売上ランキング(2008112月)より。

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順位 代理店名、売上額(対前年比)

1位 電通 1,499,154百万円(94.4%

2位 博報堂 705,751百万円(98.4%

3位 ADK 358,596百万円(92.5%

4位 大広 138,622百万円(100.5%

5位 東急エージェンシー 116,387百万円(95.4%

6位 JR東日本企画 104,159百万円(94.9%

7位 読売広告社 89,489百万円(91.3%

8位 デルフィス 55,723百万円(91.7%

9位 朝日広告社 51,578百万円(89.0%

10位 フロンテッジ 44,249百万円(102.0%

11位 日本経済社 42,370百万円(93.3%

12位 日本経済広告社 40,768百万円(93.0%

13位 電通東日本 39,060百万円(83.9%

14位 オリコム 34,867百万円(90.3%

15位 クオラス 32,704百万円(-)

16位 JR西日本コミュニケーションズ 31,721百万円(99.7%

17位 電通九州 31,120百万円(98.6%

18位 中央宣興 30,011百万円(98.1%

19位 JIC 28,280百万円(90.1%

20位 JR東海エージェンシー 26,943百万円(109.8%

21位 新通 26,929百万円(100.6%

22位 電通ヤング&ルビカム 26,848百万円(83.4%

23位 オリコミサービス 25,000百万円(96.0%

24位 NTT東京電話帳 24,893百万円(86.5%

25位 アイプラネット 19,526百万円(93.2%

26位 電通北海道 16,805百万円(97.8%

27位 NKB 15,960百万円(100.9%

28位 協同広告 15,786百万円(99.9%

29位 広告社 14,751百万円(82.5%

30位 新東通信 14,262百万円(88.8%

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(主要広告代理店、売上ランキングより 3に続く)


41日発行「広告と経済」によると、

2008112月における主要広告代理店67社の

媒体別売上高での対前年比は、全体で94.7%であり、

その内訳は、

テレビ 95.9%

ラジオ 93.0%

新聞 85.8%

雑誌 88.8%

その他 97.1%

であった。

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紙媒体における広告売上はこのまま大幅に

衰退を続けるのでしょうか。。。



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41日発行「広告と経済」より>

デルフィスの20092月売上高は

29500万円で前年同月を45.1%下回った。


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⇒う~ん、まさにトヨタショック。

ハウスエージェンシーは、親会社の業績が良い時は天国で

あるが、親会社の業績が悪いときは地獄。

テレ朝の深夜枠「シルシルミシル」を見ていて

思うのだが、テレビも変わったなと。

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57年前位は、ココアがどうだ、

お酢がどうだ、ヨーグルトがどうだと

みのもんたにでも語らせれば

売れる時代でしたよと。

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大手の食品メーカーなんかは、

番組で取り上げてもらえれば

在庫がなくなって困るくらいだから、

CMは素材あるけど打たなくていいです

みたいなかんじ。

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そんな時代でも、

番組内では個別商品とか個別企業名とか

を出すのはNGで、

例えばヨーグルトの商品を番組で

撮影してもらうなら、個別商品ではなく

10個くらい別の種類のヨーグルトも

並べてグループショットにして、

PRのクライアント企業の商品は

できるかぎりそのグループショットで

目立つ真ん中に置いてもらうみたいな

苦労をしたりした。

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例えば、変な話だが、

テレビ番組で紹介してもらう場合、

「明治乳業LG21」という商品名で

取り上げてもらうことは個別企業に

肩入れすることになるからNGなのだが、

「ピロリ菌を退治するLG21菌」という

善玉菌の紹介だとOKだったりしたのだ。

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まぁもちろんそんな変な時代も

長く続くわけもなく、

例の「あるある問題」で

ほとんどの健康絡みPRは消滅する。

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で、そんなかんじでテレビでのPRの時代は終わったかと

思っていたのだが、ここ最近のテレビでのPR手法が

かなり変わった気がする。

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何のベネフィットを訴求するでもなく、

個別商品の「へぇ」って話を

そのまま企業名も商品名もバンバンだして

番組コーナーとして展開している。

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「ブックオフ」とか「コージーコーナー」とか

「モスバーガー」とかの情報を

そのまま番組のワンコーナーとして紹介する

「シルシルミシル」なんかをみると、

テレビのハードルも恐ろしく下がったなぁと思う。

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クライアント側からすると、

TVCM打つより、番組で取り上げてもらったほうが

確実に売上に繋がることが実感できるわけであり。。。

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これも一種のテレビの価値の下落を

象徴している事象なんだろーなぁ。

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追記:そもそも、このスポンサーをそのままコンテンツに

する流れって、リクルートの「R25」からではないだろうか?



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そもそもこの「Google TV Ads」には

ニールセンのテレビ視聴率調査の視聴者属性

データを活用しているとのこと。

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こんな画面らしいです。



広告とか広告会社とかメディアとか経営とか-TV Ad

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時間毎にTVスポットとWEBサイトのトラフィック

の相関がみれますよと。

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こんな便利なものが日本でも導入されてしまうと

大騒ぎになるだろうが、

果たして実際導入される日がくるのだろうか?

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問題①ニールセンがそもそもテレビ視聴率調査から

日本の場合撤退してしまっている。

かといって、テレビ局の資本が入っている

ビデオリサーチがYou tubeをも傘下にいれたGoogle

手を組むだろうか?

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問題②視聴情報データを収集できるのか?

日本の場合、HDDレコーダーやケーブルテレビ局の

セットトップボックスといわれるものの多くで

こういった視聴履歴データを収集することは可能だそうだ。

ところが、その視聴ログを内部的には持っているものの、

現在のところ、それを外部に渡す機能を全て

ブロックしているらしい。。。

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広告主にとって、最適なテレビCM配信システムを

構築することは、技術的には可能なのに、

業界としては動こうとしない。

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こんな日本だと、数字にこだわる広告主は、

どんどんテレビからネットにシフトするしか

ないのではないか。

20085月からテレビCMの配信仲介サービス

Google TV Ads」を開始している。

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これはウェブ広告でおなじみの検索連動型広告

Google Adwords」のテレビ版で、オンラインで

放送局や放送期間、ターゲット年齢などを入力すると、

配信スケジュールを自動的に作成してくれるものだと

のこと。

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Adwordsにしろ、このTV Adsにしろ、

何が革新的かって、

代理店の営業マン・メディアプランナー・メディア担当が

やっていた仕事を、まんまと全部、企業側にやらせる形に

してしまっている。

一時期流行ったブルーオーシャン戦略の

いい例になりそうなかんじである。

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しかもクリック数という行動ベースが

尺度となっているため、説得性も高い。

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で、これはAmazonとかと同じ

ロングテールモデルの商売であり、

大手代理店が対峙する顧客よりも

小規模な顧客を効率的にかき集める

形ということなのかな。

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Google TV Adsのサイト

http://www.google.com/adwords/tvads/#

You tubeを活用してProduct Demoとして
説明している。。。さすが。

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年末頃にやっていた「カンブリア宮殿」で

ユニクロの柳井さんが、

消費者が自分の好みで自由に選べるような店を

つくろうというのがそもそものユニクロの考え方

であったと言っていたが、

広告や広告枠の好みもセンスも多様な時代となり、

代理店営業が提案する時代ではなく、

客自身が広告をチョイスする時代になるのかも

しれない。

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楽天のTBSの問題の件。
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08
4月の放送法改正で、テレビ局は認定放送持ち株会社への移行が可能となった。
認定放送持株会社へ移行後はあらゆる株主の議決権が33%以下に制限されてしまう。
そこで、TBSは、楽天が経営を掌握できなくするよう、フジテレビに続き、
認定放送持株会社移行を発表した。
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結果、楽天は株式の買取請求権を行使し、TBS株を売却、
TBSからの撤退ということとなった。
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広告業界への影響としてどうだろう?
例えば、ネットで企業にテレビCM枠を売るなんていうことは
まだまだ先の話になるということだろうか。
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また「テレビコンテンツのネットへの活用」という部分への影響は
どうなのだろうか。(なおこの点については、ホリエモンが
ニッポン放送を買収しようとした時、そのことがホリエモンの狙いでは
なく、ただテレビでライブドアのロゴを宣伝したかっただけだと
最近の著書で書いてあることも興味深いので後日、ホリエモンの
考え方については再度検証したい)
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いずれにせよ法改正によって、業界におけるChange
プロテクトされた感が強いのであるが、
こういった法規制の流れは、日本社会においてどのように
生じるのかも、今後把握したいところだ。
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以下引用。
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「楽天、TBS株すべて売却し撤退へ…3年半の攻防に決着」

3311555分配信 読売新聞

TBSの筆頭株主の楽天は31日、発行済み株式の19%強の保有株のすべてを売却するため、TBSに買い取りを請求したと発表した。

 2005年10月に楽天が大量のTBS株を取得して経営統合を求めて以来、約3年半にわたる両社の攻防は、楽天側の撤退で決着した。

 TBSは4月1日付で認定放送持ち株会社「TBSホールディングス」に移行した。放送法の規定で、1株主の議決権比率が33%以下に制限されるため、楽天がTBSを単独で子会社化することはできなくなり、業務提携もTBSの反発で難しいため、株式を売却することにした。

 楽天が株式の買い取り請求権を行使して、売却するのは約3777万株で、09年3月末時点の1株あたり1294円で計算すると、時価は約488億円だ。TBS株の取得株価は平均約3100円のため、楽天はすでに08年12月期決算で約650億円の評価損を処理済みだ。今後、新たに大きな損失は発生しないが、売却によって計700億円程度が損失として確定する見込みだ。一方、楽天から買い取り請求を受けたTBSは、拒否できないため、銀行からの融資で買い取り資金をまかなう。

 高値で売却したい楽天と、安値で買い取りたいTBSとの価格交渉が難航して30日以内に価格が決まらなければ、裁判所の調停に持ち込まれる見通しだ。

 
株式の買い取り請求権 会社法の規定で企業の株主が、株主総会で合併や買収などの議案に反対すれば、保有株の買い取りを会社側に請求できる権利。会社側は請求を拒否できない。買い取り価格は株主と会社側の話し合いで決めるが、30日以内に合意できなければ、裁判所に調停を申し立てることができる。

広告代理店の取引における尺度が

ビデオリサーチの視聴率データをはじめとする

データを基にしている。

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視聴率調査においては、

ニールセンが2000年に日本国内における

視聴率調査から撤退して以来、

ビデオリサーチの独占状況であり、

またこのビデオリサーチに対しての

コストが各代理店のお財布事情を苦しめてもいる。

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ビデオリサーチの資本構成比を調べてみると、

電通が34%、博報堂が5.3%、テレビキー局がそれぞれ5.3%

いう状況である。

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それはまさに今の広告業界の縮図のようであり、

このビデオリサーチという尺度を用いている限り、

広告業界の縮図も変わらないのではないか。

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・10年後、20年後における広告会社、広告ビジネスはどうなっているのか?

・広告業界における現状の大手代理店寡占市場は変えられないのか?

などを個人的に考察する場として始めるものとする。