ドレスシューズを磨き上げる仕上げの工程で使われる靴ブラシ。
毛丈が25mm程度の豚毛のものが、よく使われていた、と記憶しています。
その理由は…。
腰が強く、
長年使い続けると
馴染んだ毛に染み込んだクリームの成分を
適度に靴に与えながら、素早く仕上げる事ができるから…。
事実、
これまで手植え靴ブラシの別注をお願いして来た
宮川刷毛ブラシ製作所の先代や
田中ブラシ製作所のご主人さんからは、
「仕上げは、豚毛ブラシで」
とのアドバイスをいただきました。
靴磨きの工程が現在ほど細分化されていない時代の情報ですが、
一理あると思っています。
宮川刷毛ブラシ製作所の白馬毛のブログは、
こちらで…「手植え靴ブラシ③~宮川刷毛ブラシ製作所~」。
田中ブラシ製作所の白馬毛のブログは、
こちらで…「手植え靴ブラシ④~田中ブラシ製作所~」。
田中ブラシ製作所②の白豚毛のブログは、
こちらで…「手植え靴ブラシ㉚~田中ブラシ製作所②~」。
そこで、
寺沢ブラシ製作所のご主人に相談して、作ってもらったのが、こちら。
(今回の主役は、寺沢ブラシ製作所の黒豚毛の靴ブラシ。当時の物は、焼印が入っていません。)
(真上から撮って見ました。)
(ひっくり返すとこんな感じです。)
(硬質な黒豚毛が、びっしりと植えられています。)
長さ135mm、幅55mmの大判形の朴ノ木の木地に、
毛丈30mm弱の黒豚毛を7行植えてもらいました。
(分り難いですが…。7行植えです。)
いつものように釘打ちは、両端に1本ずつ打たれた8本。
側面には、持ちやすいように削りが入ります。
(藤本虎、宮川刷毛ブラシ製作所、エイワ等と同じ釘打ちです。)
(側面には、削りで一手間掛けています。)
徐々に馴らして、
先人が認めた、そんな仕上げができる靴ブラシに、
育てて行きたいと思っています。
寺沢ブラシ製作所の白山羊毛のブログは、
こちらで…「手植え靴ブラシ㉖~寺沢ブラシ製作所~」。
寺沢ブラシ製作所については、
いつも靴磨きやロックの話題で参考にさせていただいている
Wah-Pedalさんのブログ(7月12日)で、
最新の情報が紹介されていますので、
そちらもご覧ください。
(おまけは、ONES WORKERに別注したラウンドジップウォレット。ペリンガー社のシュランケンカーフを使っています。)
(おまけの2は、大峡製鞄の二つ折り財布。特Aランクのコードバンを使っていると聞きます。)