服、靴、鞄などに合わせて選んでいた名脇役のベルト。
革の内容を知るにつれ、こちらも素材自体に注目するようになりました。
当時、多くのセレクトショップが、「良質な肉厚コードバンが無くなる日が近い」とか、「ドイツのカール・フロイデンベルグ社が廃業するので、このボックスカーフは希少価値が出る」とか言って、購買意欲を掻き立てていましたので…。
ところで、
コードバンとは、(農耕)馬の臀部の皮の事ですが、背骨の部分にはコードバン層がないので、尺が取れないベルトは作らないと言う店もあります。
事実、上野や神戸の名店では、扱われていません。
一方、50頭とか、100頭に1頭の割合で取れる肉厚のコードバンを、革の形から「メガネ」と呼んで、高級ベルトに仕立てるところも…。
こちらの黒①と黒②は、どちらも北浜にあった老舗テーラー、リング・ヂャケットで扱っていたK.T.ルイストン製。
聞くところによると、K.T.ルイストン製は、「メガネ」を使っているとのこと。
いずれもフェザー仕上げで、幅3cm、定革は1本、ピン穴は5つの標準タイプです。
(黒① 長方形で弓なりに反った形状のバックルに交換。浅香ベルトの付け替え技術は、見事です。)
(黒① 裏革のヌメ革は、経年変化が楽しめます。)
(黒① 裏革には、K.T.ルイストンのロゴとシェルコードバンの文字の刻印が…。)
(黒① 2.2cm間隔で丸穴が五穴。尖った形状の剣先です。)
(黒② 同じく、弓なりに反った形状のバックルに…。)
(黒② 裏革のヌメ革は、黒①より経年変化が進んで濃くなっています。)
(黒② K.T.ルイストンのロゴとシェルコードバンの刻印をクローズアップして見ました。)
(黒② こちらも2.2cm間隔で丸穴が五穴。尖った形状の剣先です。)
ローウエスト用のパンツに対応するため、埼玉の浅香ベルトで、1cm長めのシルバーバックルに交換しました。
次回は、ベルト⑨~シューメーカー-J.M.ウェストン~です。
(おまけは、オールデンのコードバンVチップです。)