江戸屋は、その名のとおり、江戸時代の中期、享保3年(1718年)に開業した老舗中の老舗。

こちらの黒毛の3本は、同店の花馬毛、いわゆる馬の鬣(たてがみ)を使ったタイプ。



手植え靴ブラシ花馬毛3本
(花馬毛の大判形と長方形です。)


手植え靴ブラシ花馬毛3本②
(角度を変えて見ました。)



大判形のものは、長さ135mm、幅55mmのブナの木地に、毛丈40mmの黒の花馬毛を植えていて…。



手植え靴ブラシ花馬毛
(毛丈40mmの花馬毛で、サイドに削りが入ります。)


手植え靴ブラシ花馬毛②
(こんな密度で植えられています。)



綺麗に面取りされた共蓋(ともぶた)には、上部に「極上」の文字、下部に「○」に「江」の字の同店の証が焼印で入ります。

木地側面の真ん中を少し削って、持ち易くする心遣いが…。

このタイプのブラシには、カラフルに塗装された別注品も見かけます。



手植え靴ブラシ花馬毛③
(共蓋には「極上」の焼印が入ります。)



長方形のものは、長さ135mm、少し細身の幅50mmの反りのある木地と、上部の「別誂」の文字の焼印が異なるタイプ。

面取りも軽く、側面もフラットで削られていません。



手植え靴ブラシ花馬毛④
(木地は若干反っていて、削りはありません。)


手植え靴ブラシ花馬毛⑤(こんな密度で植えられています。)


手植え靴ブラシ花馬毛⑥
(共蓋には「別誂」の焼印が入ります。)



どちらも、7行植えで、ニスで丁寧に仕上げられ、丸頭の真鍮釘を左右対称に4本ずつ釘打ちして、蓋を留めています。

残念ながら、同店の手植え靴ブラシは、現在、いずれも製造中止が告知されています。



手植え靴ブラシ花馬毛⑦
(大判型を別角度で撮ってみました。)



文月2回目の更新は、如何でしたか。

次回は、手植え靴ブラシ②~藤本虎~です。