acupunは からだのお百姓さん

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筋・骨格上の慢性疼痛を通して、健康管理について考えます。
田畑と同じで、まず土壌を良くすること・耕してみることが大切でしょうに、(農)薬が撒かれることが多いようです。皆さまはお身体と二人三脚、私は皆さまと二人三脚、三方合わせて三人四脚で解決して参りましょう。

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犬も歩けば棒に当たる。
 ひょんなことで今頃出喰わしたこの投稿、「あれ~?これ私が書いたっけ?」と思う位《Oh,Yes!Yes!》の内容です。

🌟こちらは、Kobashiが2005年に「医道の日本」に投稿した症例報告
【古い ムチウチ損傷の治療報告】(医道の日本2005年4月号 本文) 

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2022.06.01記す

 =我々は、絶滅危惧種とまで言われた掃骨鍼法グループ= 
 今は亡き恩師 小山曲泉翁が命名なさり、心魂込めて守り育てられた《掃骨鍼法》。
 その名称を掲げるにあたっては、心から敬意を払う必要があると考えます。
そのために我々が自らに課しているせめてもの課題。
 ①掃骨鍼法の流れを汲み、技術を認め合える仲間とともに切磋琢磨すること。
 ②患者方と二人三脚、オリジナリティを構築・提供し、率直な評価をフィードバックして頂く。
 ③現況、多職種連携が必要なのは必至。
 我々はその一環として、JNOS日本整形内科学研究会《鍼灸部門掃骨グループ》の一員として学び、その一翼を担います。

 近年はJNOSでもYouTubeやFacebookなどで部外者に向けた発信もされているので、ご参考になさって下さいね。
 ex.
🌟【2021年9月 60分教育講演・小林只 @日本理学療法協会関東甲信越学術集会】変⾰する社会が求める理学療法⼠の ”専⾨性”~変りゆく⾔葉・診療技術・連携・テクノロジー と 変わらない思い~
   🌟日本整形内科学研究会(JNOS)
         
➥これらをクリアすると言うことは、一朝一夕には参りません。
 加えて総仕上げは、患者方と施術者とで作り上げるオリジナルであるべきだと、小橋は考えます。
じっくり熟成させ、自他共に認められる人材となって参りましょう。 

【①②③をクリアした掃骨鍼法の仲間たち】

🌟大阪:河岸鍼灸整骨院 
院  長:河岸  格  
住  所:大阪府堺市堺区向陵中町4-7-25
電  話:072-257-3355  
通  称:『そうこつ・掃骨鍼法』
メッセージ:「 小山曲泉先生より直伝の掃骨鍼法[そうこつ]を取り入れた鍼灸治療を致します。」

こばし補足:明治東洋医学院で直に接するのみならず、自他共に後継者と目された船津先輩と共に《甲子鍼灸院》を長らく堅持。

🌟大阪:こばし鍼灸(掃骨)院 
院  長:小橋(本多)正枝  
住  所:大阪附大阪市淀川区新北野1-3-4-409 近鉄淀川リバーサイドマンション409号室
Tel/Fax:06(6302)0108  
通  称:『骨格ケレン(Bone Therapy)』
メッセージ:「深部病巣を《掃骨鍼法/骨格ケレン》で処理いたします。 *骨格は 体の台地 掘り起こせ 潜在治癒力 蘇るまで*」

補  足:曲泉翁の最終段階の生徒。臨床で苦慮したときに、必要に迫られて掃骨に目覚める

🌟大阪:ファン針灸院 
院  長:村上 淳一  
電  話:072-220-7963
通  称:『ソウコツ・掃骨鍼法』 
メッセージ:「ファン針灸院の院長村上は 掃骨鍼法 を2人の師より学び、長年臨床経験を積んだ村上式掃骨鍼法を行います。ぜひ安心して来院下さい!」

こばし補足:氏は我々を師・先輩として熱心に学んで下さり、我々よりも繊細な技術を編み出された。
    *青は藍よりいでて 藍よりも青し*


🌟大分:長浜治療院/玄珠堂 
院  長:北林 達也
電  話:097-537-9271
通  称:『岩くずし』『深部硬結点治療』
メッセージ:「鍼一本の統合医療ーー玄珠堂の治療家人生はあと10年です。 出会いは、今生のうちに願います。死んでは鍼は持てません。
 #いざ、お助け参らせん! 力及ばずば、お許し下さい。」

こばし補足:氏とは、学校も師匠も地域も違うところにありながら、同じ技術・同じ志を持つ者として mixi時代からのお付き合い。

🌟東京:あいナチュラル鍼灸院 
院  長:中山 かおり
住  所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-33-18ドッポ武蔵野202
電  話:0422-24-7749
通  称:Deep Acu Release(ディープ アキュ リリース)
メッセージ:掃骨鍼法は、小橋先生よりご指導いただきました。
 長年抱えた痛み、古傷の修復のお手伝いから、その他にも状況に合わせた鍼灸療法を組み合わせて修復、回復のお手伝いをさせていただきます。
 患者様の声を大切に二人三脚、治療後のセルフケアのアドバイスで痛みからの脱却を ご一緒に目指したいと思っています。

こばし補足:氏は私の東京研修の折、最前列に陣取り座学・実技ともに積極的に学んで下さった。
 そればかりか、大阪まで技術確認に来て下さり、JNOSの研究会にもご参加。なお、東京・大阪の地あって、共通の患者様を安心して任せられる人。

あいさんの信頼できる鍼灸院

🌟愛知:はりきゅう ぱんだ鍼灸院
院  長:井上 敏晋
住  所:愛知県一宮市貴船2-10-20

こばし補足:目指す技術を知ればこそ、氏はこんな表現ができる。「それは、半解凍の肉の塊。表面は柔らかくなってますが真ん中は凍ったままでガチガチ。
 それを崩していく。鍼先の感触から、それはビスケットだったり、クッキーだったり、落雁だったり、木ッ片のようだったり。 切らずに出来る外科手術。」





【イザという時のために】
  
紀三井寺漢方・鍼灸研究所(和歌山方面の方)
    院長のコメント:「漢方薬は全国対応できますが、鍼灸の場合地図をお確かめ下さい。和歌山も広いので.」
 
➤この他にも深部療法に注目し実践していらっしゃる方は多い筈。
例えばこんな方:
《似田敦先生》現代医学的鍼灸治療/眼窩内刺針
 技術交流をして、共に社会貢献して参りましょう!!


研修会・実習等

★ #コラム18.《掃骨部員こばしの実技》







   しこり は潰せ・癒着は剥がせ・沈着物は削ぎ落とせ。骨格を自由に❣ 12.《信頼できる同志たち》

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トリガ―ポイントを掃骨鍼法で
       『筋肉の痛み…コマさん物語』
(長文です)    

平成21年のこと。
当時Yahoo!掲示板の【-治療、療法】の項目に【ヘルニア治療をされているかた】と呼びかけるスレッドが有りました。
 ボード主は、 「現在、ヘルニアで闘っている方に、ぜひ読んでいただきたくこのスレをたてました。」とその主旨をのべ、救急車のお世話にならざるを得なかった自らの体験と、納得の行かない手術からどのようにエスケイプしたかを語り、同じ苦しみを持つ方々の寄る辺となって行ったのでした。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 「へルニアだ」「脊柱管狭窄症だ」「線維筋痛症だ」「手術だ」と言われながらも、良くその痛みの本質を見極め、苦痛と闘いながらも、納得の行く治療法を探求。
 理解あるドクター(かの加茂先生です)のもとで良く学び、“硬化した筋肉こそ痛みの真犯人であり、被害者でもある”と気付いた患者グループ。
彼らが見出した治療法が、トリガーポイント“注射療法”“鍼療法”でした。
 自らの体験を通して語り合い、支え合い…「安易な手術に走らないで」と提案した彼ら。裏付けとなる資料も満載で、オババも随分啓発されたものです。

 そのボードも3,000通を超えるやり取りの末、一先ず使命を終え、若者たちは夫々の社会へ…。
 辛うじて、オババのパソコンに残っているものが、このBOARDで九死に一生を得たmarbles_komaさんとボード主の数通のメール。
 上手くいくかどうか解りませんが、『コマさん物語』として書いてみましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 痛む身体を、「椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛です。手術しかありません。」
と告げられたコマさんが、【Yahoo!掲示板-治療、療法-ヘルニア治療をされているかた】に出会いました。
 そのやり取りは、その後60数通に及んでいました。拾えるものをアップして、コマさんの経緯を追ってみたいと思います。

  コマさん物語 その①
≫はじめましてmskzさん。marbles_komaより   (2009/ 3/24 )
 とても親身になってレスをされてらして、大変感銘を受けております(^^)。
坐骨神経痛?に悩まされています。
 昨年(H20)8月階段を滑り落ち、左尻を強打しました。打撲痛が消えた後に、左脚に痺れとひきつる軽い痛みが現れました。しかし、生活に不便はなく、相当な強打だったから自然治癒には時間がかかるだろうなと放置。病院が好きでないもので。

 それでも、今年に入って症状が強くなってきたので、自然治癒を諦めて整形外科へ。
【椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛】の診断を受けました。

私 : 「もの凄い強打で、筋肉が痛(傷)んだのでは?」
先生:「筋肉はそんな弱くありません。元々ヘルニアを持っていたのです。
   打ったのは無関係。ヘルニアは完治が難しいです。一生付き合わないといけませんよ。症状も大したことないから薬飲んでみて。」

 一生って…予想外の診断に落ち込んで帰宅。
そこで家族に話した所、心ない暴言を浴びせられ、さらに落ち込んでしまい、翌日から症状が加速しました。
 左尻から腿にかけてと、くるぶし、つま先の痛み&痺れ。そして直立出来なくなったのが先週。

 これはヤバいと、別の整形外科へ行きました。MRIでヘルニアが確認出来、同じ診断が下り「3回硬膜外ブロックをして治まらなければ、手術だね。」と言われました。

 手術は出来ればしたくないなあと思い、ここ(ボード)に辿り着きました。
目からウロコ。本当の病名が判りました。お尻、カッチカチですもの。
 今日初めて硬膜外ブロックを打ち、ましになりましたが、まだまだ痛みは残っているので、TPへの注射か鍼で治療したいと思っています。

 大阪で、mskzさんがご存知の所があるようでしたので差し支えがなければ教えて頂きたいのです。 携帯からの書き込みで読みづらいと思います、申し訳ないです。

  コマさん物語 その②
Re: marbles_koma さんへ^^   ボード主より
                    2009/ 3/25 2:43 [ No.925 / 2204 ]

≪こんばんは~^^ご来訪。。。ありがとうございます^^
>とても親身になってレスをされてらして、大変感銘を受けております
<ありがとうございます^^暇人のようです( ̄ ^  ̄)

>坐骨神経痛?に悩まされています。
<私と。。。一緒ですね(><
>【椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛】の診断を受けました。
《 私 》:「もの凄い強打で、筋肉が痛(傷)んだのでは?」
《先生》:「筋肉はそんな弱くありません。元々ヘルニアを持っていたのです。

 見解は。。。marbles_komaさんのおっしゃる通りではないか。。。と、思います^^ 
筋肉の微損傷で、筋痛症になるようです^^例えば。。。自動車事故で、ムチウチに。。。と云った具合に。
>その後も治療を続けていたのに、痛みがひかず。。。整形へ。。。
>レントゲン・MRIを撮って。。。診断は、ヘルニア!
<自動車事故で、ヘルニアになったのでしょうか? 違うと思います^^
ヘルニアは、前からあって。。。特に、痛みを出していなかっただけ。。。
痛み原因は、筋肉の微損傷により、筋痛症が発症したのではないかと思います^^

 元々ヘルニアを持っていたのです。今まで痛みが無かったのは。。。どうしていたんでしょうね^^
神経って。。。そんなに、都合の良いものなんですかね?状況によって。。。痛みが出たり出なかったり。。。
 生理学では、すでに解明されていて、正常な神経の圧迫では、痛みは生じない ようです^^

>ヘルニアは完治が難しいです。
<ヘルニアだと。。。手術をしないと。。。治らない理論ですよね^^
 ヘルニア所有者の統計と、痛みの統計が、一致しない という統計の出ている医療関係のHPがあるのですが。。。
1時間ほど探しても、見つからないので。。。今度見つけておきます^^

>一生って・・・予想外の診断に落ち込んで帰宅。
<ヘルニアは、痛みと無関係ですよ~^^
必ず。。。治ると思いますので^^ そこは、安心をしてください^^

>そこで家族に話した所、心ない暴言を浴びせられ、さらに落ち込んでしまい。
<多いですよね。。。長期間に痛みが及ぶと。。。仕事にも、家庭にも影響でますし。。。

>MRIでヘルニアが確認出来、同じ診断が下り「3回硬膜外ブロックをして治まらなければ、手術だね。」と言われました。
<下肢痛や臀部痛。。。そして、痺れには、神経ブロックは、効果が低いと思います^^
私も、硬膜外3回・仙骨3回・神経根1回やっています^^
打った後。。。数時間だけです^^  ラクなのは下半身が、完全に麻痺している時だけです^^

 余談ですが、麻痺と痺れについて。。。
医師に、「このまま、痺れが悪化すると、歩けなくなるかも」とか 、言われませんでしたか?
 多くの医師は、麻痺と、痺れの区別がつかないようです。
 麻痺とは、神経ブロックの注射後の状態で、足に力が入らず。。。触っても、痛みを感じない状態のようです。
 痺れとは、今の状態です。。。もしくは、正座の後。。。足が痺れる。。。と、言った具合。。。

  コマさん物語 その③
Re: marbles_koma さんへ^^   ボード主より(つづき)
                                 2009/ 3/25 2:44 [ No.926 / 2204 ]

>手術は出来ればしたくないなあと思い
<まったく、必要ないと思います^^賢明だと思います^^
まわり(はっきりとかけないので)の掲示板をみてください^^
手術後に、痛みと痺れの取れない方とかいますよ~^^
そうなると。。。原因は、ヘルニアではなかったとか。。。
手術が上手くいっていないとか。。。
理由は、いつも、後づけですね^^

>大阪で、mskzさんがご存知の所があるようでしたので差し支えがなければ教えて頂きたいのです
<大阪K鍼灸院
ここ(ボード)に、何回か来ていただいている。。。ms_acupun先生の治療院です。
通常の鍼と違い、トリガーポイント鍼の施術のようです^^ 高い治療技術を持っていると聞いています。
<京都E鍼灸整骨院
先生自身が、筋痛症の患者でもありました^^
だから、患者の痛みや、どこを治療すると、どう効果がでるか。。。熟知していると思います^^
<西宮Y内科クリニック 
ここは、TP注射です。以前、ここ(ボード)に来て手術考えていた方が、ここ(Yクリニック)に行って完治しています^^ 

 鍼灸の場合は、一度、保険診療について。。。相談してみるのも良いと思います。
 一応、参考として載せました。どこも、私は、治療を受けていませんが、治療効果が高いという病院です。
 ネットで、無作為に検索をしたところではないので。。。それは、安心してください。
 ただ、治療にかんしては、自己責任でお願いいたしましす。
早期治療が。。。とにかく、効果が高いです^^
痺れがあるので。。。少し時間がかかるかもしれませんが。。。がんばってくださいね^^

  コマさん物語 ④
≫行ってきました。  marbles_komaより 
            2009/ 3/25 19:51 [ No.929 / 2206 ]

mskzさん、レスありがとうございます。
 時間をかけて資料探しまでして頂いたようで・・・感謝ですm(__)m
早速、K鍼灸院へ行ってきました。
丁寧な説明で、鍼は初めてでしたが不安を感じる事もありませんでした。
ここの掲示板の話もしましたよ(^.^)
 加茂先生の患者さん達は本当に良く勉強されていると感心されていました。

 鍼が曲がる程、腰とお尻がガチガチでしたが、随分とほぐれました。
家族に支えられて行きましたが、帰りは一人で歩けたんです!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 オババが拾える記録は、残念ながらここまで です。
が、カルテからは拾えますので、コマさんの来院から職場復帰までをレポートしてみましょう。
同じ悩みを持つ方々の指標になればというお気持ちから、 ご同意頂いていますので。
 「初めまして。」と、mskzボードに入ってらっしゃったのが、平成21年3月24日午前4時10分。
 つらい現況、経緯、希望などを、ボード主にご相談されました。(物語 その①)
3月25日午前2時44分
 ボード主はここで、病院・治療院を紹介しています。(物語 その③)
同日 午後4:00 さっそくのご来院です。
 その時の姿は…見目麗しい母上の両肩に、後からズシリとぶら下るように、痛みに耐えて不機嫌な顔の娘…それも“しどけない”グレーのジャージ姿。おしゃれ心などは皆無…これが我々の出会いでした。

 1診   3/25 ウェスト(大腰筋)を含む左下肢帯全域の圧痛・硬結・痛みに伴う可動域制限。用鍼は寸6-3番~2寸-8番。全身的に単刺的掃骨鍼法。
 2診   3/30 姿勢は、痛み回避のためへっぴり腰だが辛うじて自立。
   施鍼時LTR頻発。圧痛・硬結・自検で全身的に単刺的掃骨鍼法+軽く局所掻破。
 3診   4/08 「昨日からメチャクチャ痛みが出ている。」 same do.
 4診   4/14   4/08の治療後、4/09、4/10はラク、後徐々に悪化。same do.
 5診   4/20 大臀筋、梨状筋、双子筋等、くっきりと見える圧痛・硬結掻破。
 6診   4/27 まっすぐ立っている。4/20の治療後悪化したかに見えたが、急速に改善。現在、鼠蹊部(腸腰筋停止部)に自覚症発症。前回に同じ
 7診   5/08 スカート姿でシャキッ。メイクもして電車で来院。美しい。
   坐骨結節由来の筋・靭帯~鼠蹊部、目立ってきた左顎関節~側頸部の自覚症も処置。
 8診   5/15  快調。 残骸処理前回に同じ。 顎関節~側頸部右に自覚症発症。
 9診   6/01  残骸処理前回に同じ。 顎関節~側頸部左右予防的に。
10診  6/16  前回に同じ + 両頚肩背部こり処理。
11診  7/10  前回に同じ.
12診  7/21  前回に同じ.
13診  8/18  前回に同じ+左腸骨稜(腰方形筋起始部)痛みが取れにくいため刺絡
14診  9/11  前回に同じ
15診 10/20  社会復帰。 骨格筋のバランスを取り、全身的に疲れをとる。
16診 11/14  治療目標前回に同じ。
17診 12/12   治療目標前回に同じ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 1~2月目は週1回、2~6ヶ月目は月に2~1回で健康圏に戻り、H22になってからは、アンバランスな筋肉を見つけては時々調整にいらっしゃいます。
 上記の治療ペースは、ご自身の身体からのサインをよく聴き取って、殆どはご自分で設定されたものです。  
 コマさんの場合、発症がはっきりしていて、はり治療開始が比較的早かったこと、ボードを熟読しボード主の経験も確かめた上で、短期決戦の覚悟でそれなりの施術法(私方はどちらかと言えばハードで、外科的な考え方を致します)を選ばれました。
 「ボードを熟読した」とはいえ、書き込みはこの時点で900通を超えていた訳で、パソコンの前に座るのも辛い中、這いつくばって携帯を握りしめる姿などが垣間見えて…。
 今、お元気な姿が見られて、曾ての不格好な(ゴメンナサイ)姿を共に笑う事が出来て、オババは幸せです。
 こうして私は、皆さまのパワーを頂くのですね~。有り難うございます。

オババ独白~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 「ヘルニアは腰痛症の真犯人ではなく、更に、白血球の一種『マクロファージ』が食べて、多くの場合消えてしまうことも判明」と、やっとやっと一般に向けて報道されました
 我々の療法は、ギヴアップしそうな生体に直談判して、彼ら(マクロファージや線維芽細胞たち)が、もっと働きやすい内部環境を構築するんだいう事実は、一体いつ、定説になるのだろう・・・。


 

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古い ムチウチ損傷の治療報告(本文) 

         患者  A.M.さん28歳(女)の症例

🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 
【 現 病 歴 】
 10年前、17歳・高校2年生のとき、信号待ちをしていた交差点で、右折するトラックのバックミラーで、左乳様突起(風池穴付近)を強打され、支えていた自転車ごと吹っ飛ばされた。 膝に擦過傷があったが、若さ故の恥ずかしさが先立って「大丈夫です。」と、逃げ帰ってしまった。
 帰宅してから後頭部の打撲痛と青アザにも気付いたが、膝以外には目立つ外傷も見当たらなかったため、これも放置してしまった。
 しかし、日を経るごとにだるさが増し、集中力を欠くようになった。

  20歳で結婚。
 育児が加わるに及び、日常生活の著しい不都合のため、整形外科・脳神経外科等の病院通いと、コンプリメンタリー(補完医療)のはしごが始まった。
 が、何れも格変なく、2~3年ですっかり諦めてしまい親御さんの支援を受けながらの日々だったという。
  そんな中で、1995年4月から来院していた父親(当時62歳)の腰、膝、肩、腕などの全身の症状が寛解していく姿を見て、もう一度チャレンジする気になった。
 とりわけ興味を引いたのが、父親の少年時代の怪我がもとで茶色く変質した向こう脛の傷痕が、施鍼部だけピンク色に盛り返して来る事だったという。
 (この時点でのこの処置は、ただの余興にすぎなかったのだが――)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【 主    訴 】
 「左半分(ちょうど僧帽筋の領域から上肢全体にわたって)がすごくだるい。左目はピリピリするし、頭もおかしい、手も痺れる。」

【 触    診 】
 主訴に一致した領域すべてに圧痛・硬結が強く、全体が棒状、板状

【 試 鍼 感 】
 全体に干物様、煮詰まり様の感触で、特に左頭蓋底から頚部の内在筋は、骨格との境界が不鮮明。石灰沈着・癒着が著しく、古ゴム様・軽石様などと施鍼感は雑多。

【治療および経過
 (→「 」は後日のコメント。又、刺激量は患者さまの堪え得る限度を勘案して、記録していたものを後日5段階で表示し直した。)

1995年9月27日(初診)、10月2日
 電気鍼および乾吸併用。変化が出にくい。

10月16日
 念のためドクターを紹介。
 受診の結果は、「頸椎捻挫後遺症。頸部に軽い変形が認められる。ビタミン剤の処方と、運動療法を支持した」とのこと。
→「今までも散々遣ってきた。そんなもん効かへん!!!」

11月 6日
 寸6・4番(50mm長 0.22mm径)の鍼を主に、硬結を骨格 に生えた“キノコ”にたとえれば、形は様々だが、“カサ”の部分を雀啄術で幅広くほぐす。 刺激量+。
→「ほぐれたなと言う実感は1日のみ。ただし、痛みの種類は変わってきた」

11月16日
 治療は前回同様で、刺激量を++に。 
 →「当日のみ頭痛残。そのあと3日くらいは楽。鍼治療続ける決心をした。」

11月24日
 前回同様。刺激量+と、低周波鍼通電(日本メディックス社セダンテ520)15分でトライ。
→「電気では、だるさが取れにくかった」

11月29日
 夾脊穴で、内臓の働きを加味。キノコの“軸”の部分までほぐす。刺激量+++。
 →「ちょっと楽かな」

12月1日、9日
 表~中層の筋の緩みから深部の異常がキャッチしやすくなってきたので、寸・8番(60mm 0.3mm径)鍼を投入。体調に応じて可能な限り深部までほぐす。
→「治療後の2~3日は、受傷当時の偏頭痛が再現」
 「懐かしい頭痛…」とは言うものの、かなり強烈な痛みだったようだ。

12月11日13日
 治療法、前回に同じ。新陳代謝促進を期して乾球併用。
→「頭痛・瞑眩ほとんど出なくなってきた」

1996年1月8日10日 
 「家(族)中で風邪引いてしまって来られなかった。
体調が悪くて8割方ぶり返した」とは言うが、施鍼感は幸いなことに、“元の木阿弥”にはなっていない。
 治療法、前回に同じ。キノコの “根っこ” までほぐす。刺激量+++。
→「頭や首を振り回さずに済むようになった」

1月12日18日29日31日2月5日
 直刺・斜刺等の鍼法に拘らず筋繊維、目地に沿った雀啄術。
→「治療後2~3日は全く不調を感じなくなった。その後はちょっと不安になる」

2月10日23日3月5日7日19日4月26日
 骨格を受け皿にした施術(掃骨鍼法)にも慣れてきたことから、自覚症状を徹底的に聞き取りながら、異物化した局所、とりわけ頭蓋底を含む筋の起始部・停止部・附着部を徹底掻爬していった。
 手技は蚕食するがごとき細心の雀啄術。 刺激量++++。
 患者・術者ともに、真剣白刃の全力投球が続いた。

8月30日
 久しぶりの来院であったが、この度は雨降りで転倒、腰痛の治療だった。
 その後は、ADLに伴う正常範囲と思われる疲労の治療に留まっている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【 考  察 】
 生体は、然るべき刺激と血流によって、毛細血管は10分で増殖し始め、骨にも圧電極性(ピエゾ現象)が発生し、骨細胞の再構築能が高まると言われている。
 一方、頭蓋底には、左右20対もの筋の起始部・停止部があり、“首”と称される細いくびれの部分は、頸椎を軸として神経・血管・内在筋などで埋め尽くされている。
 そこに、自動車事故と言う理不尽な暴力に拠って、自己の治癒力を遙かに越えて傷つき錆びつき、栄養されることも困難となった深部組織。
 レントゲンなどの諸検査で、骨格に異常が証明されなければ、わがままとされ、諦めるしかないのがムチウチ損傷の現状らしい。H24年現在、今もって尚!

 自覚症状があるのに、生体や脳が認識しなくなった、もしくは認識していても治癒力の及ばない、不完全燃焼のまま立ち消えしてしまったその病巣に、鍼灸、とりわけ“ハリ”なら、直接アプローチができる。
 細い細い鍼という道具で、古傷を小さな新しい傷に変えて行く。新しい傷だからこそ、生体の治癒力は真価を発揮できる。

 この行為を繰り返し繰り返し行って老廃物を徹底的に掻き出した結果、Aさんの古いムチウチ損傷を治癒に導くことができたと考える。
線維芽細胞の真価が、注目に価する。

 150cmそこそこの華奢な女性が、毎回60~90分に及ぶハードな治療に耐えて、結果的におよそ半年間20数回で回復。
 そこには、何よりもご本人の≪加療反応(一過性の頭痛、発熱、排便、排尿、生理日や量の変化、青ジミ等々)≫を厭わない強靱な精神力があり、またその背後には、ご一家の、鍼灸治療に対する、体験を通しての信頼とご理解があったことは、双方にとって誠にまことにラッキーなことであった。

 身体は、どうしても辛い不愉快なサインしか出さないようだ。しかしそれは、生体がどこまでも自力で治そうとしている証拠だとも言える。
 私達は、その病巣を克明に探り出し、フレッシュな血液を送り込んで、老廃物を洗い流すお手伝いをする。 その血液の質をよくする責任を、患者さまに託して。

   骨格は 身体の大地 掘り起こせ
      潜在治癒力 よみがえるまで
                
                                           身体のお百姓 小橋(本多)正枝

🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟

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《掃骨鍼法はコロンブスの卵》
『掃骨鍼法はコロンブスの卵』は医道の日本1996年10月号に掲載され、2003年に『ひとを治療するということ~43人の東洋医学臨床家の治す悩み克服法』に収載されたものです。
 今、読み直しても、技術・心意気の面でも引けをとるところはなさそうです。ただこの時点では《 Fascia、結合組織ConnectingTissuesFascia~筋膜Myofascia~線維芽細胞 》などの概念が殆ど有りませんでしたから、鍼灸の効果については直近の記述に譲ります。どうぞご了承ください。 
                                                                                研珠庵アキュ 小橋正枝

  《掃骨鍼法はコロンブスの卵》  
『医道の日本』1996年10月号<第626号> 掲載分』 言葉遣いの一部を編集。 
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 「ハリ」の存在価値、鍼灸師の存在理由とはいったい何なのだろう…。
自分の仕事に自信と誇りを持ちたくて、また本当にお役に立ちたくて、そう考え続けてきた。
 そこで、患者さまとのインフォームド・コンセントを密にし、共に探り出し行きついた所は『骨』であった。
そこへのアプローチの手段が『小山曲泉流 神経痛掃骨鍼法』。

  体重のおよそ50%は筋肉、同じく20%が骨…〆て7割が身体を動かすための装置、『運動器』という訳だ。
 とりわけ、その筋肉は骨に植わっている。多彩なADL(日常生活動作)によって傷つき、汚れ、栄養は持って行かれ悲鳴をあげているのは、他ならぬ骨格であると思い定めて…。

 § まず骨格の治療に取り組む   
 それは80歳のおじいさんの肩と、70歳のおばあさんのお尻から始まった。
「当たらずさわらず」 「しないよりもまし」 「一生懸命が取り得」の域を脱し得ないまま、高齢出産から子育てに突入。
 数年のブランクで、鍼を握るのも億劫になっていた頃、級友が忙しくてダウンし、私にSOS。
 そこで家族の協力を得て、週2回のパートタイマーとして応援に馳せ参じることになった。  
 さて、担当することになった80歳のおじいさんのカルテを繰ってみて、さあ困った。研究熱心な院長だけあって、すでにあの手この手の処方済み。

 「手が替われば・・・」の期待から、患者さまは、「痛みは早うに止めてもらいましたが、左の肩がつかめませんねん。」
こないしたらここが、あないしたらあそこが…とADL(日常動作)の不自由を再現して見せてくださる。
 この患者、医師とのコミュニケーションも良くて、通院の際には奥さまに障害点にマジックペンで印をつけてもらい、局所麻酔も試みているという。 新参の筆者としては、明治鍼灸専門学校(現・明治東洋医学院専門学校)が"他生の縁"で、小山曲泉先生の掃骨鍼法が頼みの綱となった。

 患者の熱心な寛解を望む心と、院長の太っ腹に支えられて骨格の治療に取り組む。
 圧痛点、硬結部は絶好の治療点である。特にしこりは、骨を根っこにして筋中に生えたマッシュルームのようなもの。カサの部分は抜き足差し足、軸の部分も忍び足で、ガツンと根っこに当たったら、そこが師の言う治療ポイントである。
 掃骨鍼法については、確認の意味で後で述べるが、その局所は「飴煮き」(あめだき)を想像して頂くと患者諸氏にも良く理解して頂ける。

 健康な血液はお醤油状、寝ている間にソース状、疲れがたまるとケチャップや煮こごり状になる。
 病巣の「マッシュルーム」は、多くは筋の起始部、停止部、付着部に生じ、煮つまり→おこげ、最悪の場合は素地までダメージを受ける。
 
 治療の仕上げは、患者さまにADL(日常動作)をお試し頂き、つっぱる、痛い、だるい、物足りないなどの自覚症状を対象に追加バリをする。前段が十分なら、これは大して時間はかからない。

 この鍼法は初体験とのことなので、「メンケン(だるさ等)出るかもよ。」と念を押しながら追跡すること2~3回。おじいさんは、「反対側の肩がつかめますねん。仰向けに寝て、こうやって(バンザイの姿勢で)畳がこすれますねん。」と、うれしそうなお顔。
 奈良と言う、少し排他的なところのある土地柄だが、鍼を通して信頼関係が出来上がったお一人目。

 § 灸は大好き、ハリは好みまへん 
 次に印象深い二人目の患者さまは、いつもお手製の着物がしどけないおばあさま。  
 「足が、つろうてつろうて」と言うので見れば、まあ、左下腿を重点に所構わず灸痕だらけ。数は知れず、その大きさも5mmから10mmの黒こげ状態。よく潰瘍にならないものである。 

 さて、このおばあさま「灸は大好き。ハリはあんまり好みまへん…。」  
そうは言われても、これだけすえてあれば、お灸はもうたくさんでしょ。私は、ハリをさせて頂きましょう。刺されるのがお嫌なら、パルスなどを併用して、とにかく血の巡りを良くしましょうと説得したが、なかなかウンと言わない。

 奥の手、切り札が使えぬままの数回目。患者の背中を眺めながら手をこまねいていると、「台所に立っていたら、この辺がたまらんほど、だるぅおますねん」と、左の臀部をさする。
 左右の臀部を触診し、深部を按圧して見るとこれはしかり !! はっきりと左に大きなシコリがあった。それも寛骨(臀点周辺)にべったりとはりつくような……。

 「悪いけどハリ、させてもらえる?」
 「もう、どないでもしとくんなはれ」
…というわけで、お尻をめくれるだけめくらせて頂いて、十分な前揉法で病巣の存在を知らしめてから、2寸5分でも届きにくかったので、中国鍼に持ち替えた。ずいぶん扁平だけど、例のキノコ状の根っこの部分に試鍼。

  「あ、それですわぁ」と、あまり痛がりもしないのでザクザクと掻爬してから、全身療法でバランスをとる。
 メンケンについて再度説明し、3日後にもう一度調整しましょう、と予約をしてお帰り頂いた。  

 さて、3日後。予約の時刻・・・来ない。診療時間終了・・・来ない。連絡も・・・無い。
 さてさて、また寝込んでしまったか?

 一週間後、おばあさんはニコニコ顔で現れた。

 「どうしました?」
 「良かったですねん。あの日の帰り、バスが来たとき、停留所まで走れましてんがな。あんまり調子が良うて、予約のこと、コロッと忘れてしもうて。
 次の日、院長さんにお尋ねして、おうちへ電話させてもらいましてん。そしたら先生まだ来てはらへん言わはって……。」  

 一体、どこの電話を教えて誰と話をしたのやら。笑い話のおまけ付きである。
下駄ばきで裾を蹴立てて走る姿を想像して、心配するやらうれしいやら。
 寛骨の治療で下肢の諸症状が寛解し、掃骨鍼法OKのお二人目。

とは言え、ハリが大好きになったわけではなく、按圧を始めると、
 「ちょっと待っとくんなはれや」
 「ん?」
 「覚悟しますよって。」と言うような会話が続いた。

 このようにして、患者さまとインフォームド・コンセントを重ね、治療にも参加して頂きながら積み上げた症例は、頭のてっぺんから足の裏、指の先まで。  
 これらの症例を解剖図に集めて点描すると、結局は“骨稜をなぞり、関節をなぞり”ということになる。
 とりわけ鞭打ち損傷は、頸椎といわず外頭蓋底といわず、硬縮・癒着が著しいので、経穴にとらわれず術者の触診と施鍼感、患者さまの自覚症を最大限に活かすべきである。
 
 いずれにせよ、押し手と運鍼がものを言う訳だが、患者さまに発言、表現の自由を差し上げれば、それこそ“奥の院の金庫”(といっても歯科領域の虫歯・歯周病)を掻き回してくる位の威力は発揮できる。これは鍼にしかできない。
 皮膚レベル、筋レベルの療法なら、施術者の考えも多彩で、その効果も十人十色であろうが、目標を骨格に定めるときには、実存の病巣に直接アプローチするのだから、再現性は極めて高いと言えるだろう。

 虫歯なら研磨し消毒して、詰め物をしてもらわねばならないが、骨は2年半(令和の現在では7年とも10年とも言われている)ほどの周期をもって再生が可能と言われている。根こそぎのリストラ、リフォームが期待される。

 § 多発性骨髄腫に出会って
 ここまで書き進めた所で『医道の日本』1996年6月号 故島田隆司先生の癌患者の症例報告(「特集・患者からの相談シリーズ〔各論5〕癌(上)」36頁参照)に接し、これほど真剣な取り組みがあったかと、心の引き締まる思いと感激を新たにした。
 筆者にも、それは成り行き上ではあったが、多発性骨髄腫の症例がある。

〔多発性骨髄腫 H.S.(昭和20年生、男性)〕
1994年2月5日
 腰痛を訴えて来院。腰椎~腸骨稜に沿って圧痛および運動痛。
3月6日 腰~下肢の疼痛と運動痛、圧痛著明。脛骨にも異常(浸潤?)があり、治療後にメンケンが5時間ほど続いたのち軽快。
3月28日 人との約束ごとが守りづらいぐらい不調が続く。
 「骨粗鬆症の疑い」によって検査入院。精密検査の結果、多発性骨髄腫との告知を受け、専門書からコピーした約3ページ分の解説を手渡される。
 が、事の重大さを認識するまでには、なお数ヶ月を要することとなる。

  H.S.さんは、仕事の都合や家庭の事情から、入院加療が不可能だったため、縁者である私たちにも助力を求めて来られた。私たちは、東洋医学に造詣の深い医師にも相談した上、いろいろと無い知恵をしぼった。
  食物を選ぶ一方、治療によって湧出してくる老廃物の解毒を助けるため、SOD作用の強い食品、お茶などを積極的に取り入れる。
  (SOD:スーパーオキシド・ジムスターゼ:活性酸素を分解する酵素)
また、ストロンチウム、カリウムなどを含むカーボン治療を併用するなどと試みた。

  しかし、病気の性質上、骨髄の豊富な部分がおいでおいでをするように浸潤していく。
十二分に加療した部分は数日後に固さを取り戻すが、栄養が行き渡る間もなく再発する。
 体力の問題もあって、予防のハリを打ちまくるわけにもいかず、まさに祈りながらの治療が続いた。
  投薬の効果か、毎月の検査で腎機能の回復、尿蛋白の減少等、小康状態が保てるようになってきたのは唯一の救いであった。
 が、1995年の年始より、あろう事かインフルエンザにかかってしまった。
  食事が摂れず起居も不能。こうなってはもうお手上げである。
しかし幸いなことに、奥さんがどうやら仕事の代理が出来るようになっていたので、やっと入院の運びとなる。

  待ち受けていた医師は、風邪が落ち着くのを待って、早速インターフェロンを投与した。
 1月19日から1/2クール、
 2月3日から残り1/2クール。
高熱、食欲不振などの副作用はあったものの劇的な著効が見られ、まもなく起き上がって院内を元気に歩く姿を見て、主治医も涙を流して喜んで下さったという。

 たった1例ではあるが、島田先生ご指摘のように、大難を小難にする支持療法としての一翼を担えたのではないかと考えている。
 1996年6月現在、180cm近かった見事なプロポーションも15cmほど縮んだとはいえ、体調は極めて良く痛みもなく、ご本人は現状維持ができればと願っているが、血液像に今一つ心配がある由、再度インターフェロン治療を勧められている。
  一方私のほうは、夾脊~骨盤の反応点に適宜に選穴をし、自宅での施灸を指示した。後日良い結果が報告できればと願っている。

  このようにして、骨格に注目せざるを得なくなったのは真に幸いであった。というのも、「骨に触れる技術は未熟だ」とか「邪道」だとかいう意見が、ずいぶん長い間、筆者の妨げとなっていたからである。
 だが試みに問うてみると、次のようにならないだろうか?

 § 骨の働きと特徴について 
 骨は、運動器として支持・移動の機能をもつだけでなく、
 (1) 骨髄は血球を作る造血臓器であり、抗体を産生して身体の防御作用に役立っている①。
 (2) 骨膜は、骨質の表面を覆い、多くの血管、リンパ管、神経が集まり、骨芽細胞が出て新しい骨の成長と再生を司っている①。又、骨の栄養は全て骨膜の側から行われる。骨髄も、栄養孔を経て骨膜側から栄養されている。
 (3) 痛覚を伝導する神経にはA繊維とC繊維とがある。
 前者は太くて有髄、後者は細くて無髄で、刺激の伝導速度は遅いが、直接視床に伝えられる。骨膜はこのC繊維の終末(受容器)に富んでいる③。
  また、Lawrence(米)は、鎮痛に特に有効なキーポイントを全身の骨膜上に120ヶ所発見した②と言い、Voglor(独)も骨膜上にデルマトームほど明らかではないが、痛覚の過敏帯が認められる③とも言っている。
等々の背景から、掃骨鍼法は骨格への一療法として大変魅力ある技術だと考えている。
 そのあらましを紹介させて頂きますが、独断と偏見があればお許しを。

《 掃骨鍼法について 》
(1) 創 始 者
 小山曲泉(1912~94) 薬剤師、明治鍼灸専門学校卒。
 同校講師として後進を指導、病弱な奥様のために鍼灸を志し「骨疼き」に対応できる方法として、掃骨鍼法を編み出された。したがって、氏の著書には「神経痛掃骨鍼法」(明治東洋医学院出版部絶版)として“神経痛”の名が冠せられているが、関西鍼灸短期大学(現・関西医療大学・教授)の黒岩共一先生のご意見、ならびに筆者の臨床体験からも不要と考え、表題のように「神経痛」を削除して示した。

(2) 掃骨鍼法についての見解
① 鍼灸における外科的特殊療法である。
② 多様な神経症状に有効。
③ 師は病態の終末を骨の老化性枯孔(ここう)と呼んで治療ポイントを骨~骨膜上に求めている。
④ 治療の帰転は病変からの可逆性。

(3) 同法の手技
① 押手:圧痛、硬結、運動障害、自覚症状などを目標に、病巣を最短距離で按圧、把握。
② 刺入:筋、軟部組織の傷を最小限に病巣にジャストミート。
③ 手技:局所の病態、患者の反応を確かめながら、病巣を蚕食する様な細心の雀啄術。
 その感触はジャリジャリ、ポリポリ、ガリガリ、ネバネバ、ギシギシ…。鍼に食つくようだったり、トランポリンのように跳ね返してきたり…。筆者は、できるだけこの様子を患者に伝える。すると患者もナイスキャッチしてくれる。
 そして期する所はひたすら血の巡り。

《 骨格ケレン 》 
(1) その療法  建物の汚れ落としを「ケレン」と言うそうである。
 不摂生や運動の過不足による、極めてアンバランスな筋、軟部組織の中で傷つき汚れ栄養も貰えず、ダブルパンチ・トリプルパンチを食ってかわいそうな骨格。
 その骨格の分解掃除(?)を称して筆者は「骨格ケレン」と名付けた。

  アメリカのRene Callietはその著書④の冒頭で、「医学的治療を求める患者の大部分は、身体の動く部分の痛みと機能障害である」と述べている。
 そこで 「痛み・不快感がなく、支持性・安定性に富み、良く動く骨格アラインメント」という理想的な身体の再構築を目指して、次のような療法を提唱したい。

第一段 脳と末梢をつなぐケーブルの通過点、頸部・項部をほぐす。
第二段 自律神経、脊柱起立筋などのターミナル(とりわけ多裂筋/夾脊穴)をほぐし、脊椎諸関節を緩め、内臓の働きを高め、自浄作用を促す。
第三段 掃骨鍼法の得意技、主訴に対応する。

 第一・第二段は定期的な健康管理や疲労回復に、
 第三段は、ADLの改善に抜群に効く。

 掃骨鍼法運用上の諸注意!!!
① 炎症性、急性期、神経症的な人、体力低下が著しい時、胸部疾患のある人には留意。
② 単なる深バリ、強刺激を目論んではならない。骨格の認識を深め、生体に再生をお願いするような心遣いで。
③ 用鍼は、現在使用中のものから必要に応じて持ち替える。
 筆者は慣れた人の場合、寸6-4番、2寸-8番の硬質スーパー鍼を主軸に、上・下5~6段構えの用意をしている。
  ♬ ディスポ鍼 時に応じて鍼キープ 消毒念々 自他を防衛
  ♬ 急性期 炎症あれば時期を待ち 心静かに 錆削ぎ落とす
④ メンケン(一過性の加療反応)について
 疲労物質が沈着していく逆を考え、生体が認識しなくなった、もしくは認識しても、お手上げ状態のサビ・古傷を掻爬し、新しいキズ(炎症)に置換する。
 そこで異物は、ふやけ、溶かされ、血流に乗って、肝臓、腎臓で解毒→排泄となる。
 生体の化学処理はおよそ2~3日かかると思われ、したがって加療反応(メンケン)は、このお掃除中と考えて頂く。
 こうしてサビが減ってくれれば、それだけ反応の時間は短くなり、限りなく健康体へと近づいていく。
  この理論を肯定し体感して下さる患者さまが増えつつあって嬉しいのだが、ここでひとつ反省。
  ♬ 今満ちた すでに足りたと顧みれば 行く手は遙か 未だ道の辺 

  《 ゴマメの歯ぎしり 》(以下の金額は1996年のもの)
 患者、術者とも納得のいく料金設定はできないものか。
徹底した「治療」を目標とする時、現行(健保なら、鍼灸2術で1495円、労災でさえも3980円)では、術者に対して猛烈なボランティアを強いている。
 もしくは優良な治療が放棄されるのでは?
しからば自費? 
患者さんのポケットマネーでは、慢性疾患に対して自ずと限度がある。
  それとも、鍼灸は富者の贅沢としてのみ、効力を発揮しているのか?
医療として社会のニーズに応えるべく、全国レベルで患者さまを紹介しあえる技術集団になれないものか・・・・。

  鍼灸師会には、遅ればせながら1994年、スポーツ障害の研修を機に入会させて頂いた。
鍼灸師魂に火はついたものの、いまだ井の中の蛙である。今後とも、多方面からのご指導ご鞭撻、よろしくお願い申し上げます。


  〔追  記〕
 文中の多発性骨髄腫のH.S.氏は、1999年11月、残念ながら逝去された。往診の距離的な問題、健保扱いの困難、鍼灸師ネットワークの欠如などから、小康状態を保てるようになると中断を余儀なくされ、最終段階で依頼を受けた時には、ひたすら補鍼に努めるのが精いっぱいであった。
  (『医道の日本臨時増刊No.3』「在宅ケアの現場で活躍するあ・は・き師たち5」医道の日本 153~157頁参照)
 が、ご家族の支え・ご本人の信念から、生命(いのち)ギリギリまでご家庭にあって、家業を引き継がれた奥様を支援されていた。大往生であった。  合掌。 


<引用文献>
① 人体解剖図説Ⅰ運動器 kahle/Leonharot/Pkatzer著、
   越智淳三訳、文光堂
② OSTEO PUNCTURE Anne N. Lowenkopt著、
   山田新一郎抄訳、明治東洋医学院機関誌、1979年11月号
③ 内科疾患の神経領帯療法 F.ディトマー、E.ドプナー共著、
   間中喜雄訳、医道の日本社(絶版)
④ 軟部組織の痛みと機能障害 Rene Calliet, M.D.著、
   荻嶋秀男訳、医師薬出版 

● 筆者略歴
1945年、熊本県に生まれる。
1964年、大阪府立西野田工業高校工業デザイン科卒業。
1980年、明治東洋医学院専門学校鍼灸科卒業。
   学業のかたわら眼科医院、内科医院、整形外科医院などに就業。
1982年、阪急神戸線神崎川に小橋鍼灸院(はり・きゅうのこばし)開業。
2000年、現在地に移転。 こばし鍼灸院と改名。

 ● 連絡先(令和7年現在も)

〒532-0025大阪市淀川区新北野1丁目3-4-409
近鉄淀川リバーサイドマンション4F こばし鍼灸院