やっぱり大事な基本です。
津液の生理
体内における正常な水分の総称
精・血を除いた正常な液体はすべて津液に属する
生成は飲食物からなる
津・・・さらさらとて動きやすい物質 全身循環し皮膚・肌肉・九竅に散布されるために汗・涙・唾として現れる
液・・・津液のうちねばねばとして流動性が低いもの 液は関節・臓腑・脳に注いで滋潤・潤滑の役割を担う
津液の代謝
輸布は肺・腎・肝・三焦の協調により行われる。
①脾の作用によって飲食物から吸収され三焦を通じて肺に運ばれる
②肺の作用によって全身に輸布される 一部は汗として排出
③全身を巡る過程で肺の作用だけでなく肝の作用の補助を受けて最終的に腎まで運ばれる
④腎の作用によって不要なものと再利用できるものに分類される
⑤不要なものは尿として膀胱をつうじて排泄される。再利用できるものは腎の作用で肺まで送り届け全身の津液代謝に戻っていく
*呼気と糞便の排出も津液排泄の一部を担っていく
津液の病理
津液虚
津液が大量に減少し津液欠乏になった病的状態であり内燥の症状が出る
・飲食不節による生成不足
・発汗過多・慢性の下痢による損傷
・熱により津液が焼灼される
→鼻や咽頭の乾燥 口渇 尿少 便秘 舌苔燥
痰湿(津液が生理的に動かなくなった状態)・・・津液の輸送障害や排泄障害によっておこる病的状態
・津液代謝に関する臓腑の機能低下(脾・腎・肝・三焦)
・自然環境による影響(多湿な環境や気候変化)
・水分の過剰摂取
不必要な津液はその形態に応じて
水・湿・痰・飲という病的物質にへんかして疾病をひきおこす原因となる。明確に区分することができないことが多いがまとめて呼称させることが多い。
湿→全身に広がって停留した希薄状態の水液のこと
身体の重だるさ、浮腫・下痢・雨天で増悪
水→湿より濃密な状態で停留した水液のこと
飲→水よりさらに濃厚な状態で停留した水液のこと。腹部・胸脇部皮膚などに貯留する部位がある程度決まっている。
腹鳴・動悸・喘息・浮腫
水と飲は明確に区分できないので臨床上は明確に区分できない。
痰→湿・水・飲が凝集して固形物に近い状態になった水液のこと。痰は気血の流れに沿って全身に移動するためあらゆる場所で症状を引き起こすが比較的上半身の症状が多い。
咳嗽・動悸・眩暈・頭痛・意識障害・精神障害・心悸・不眠・胸悶・悪心嘔吐
痰は有形のものと無形のものがある