Netflixでペク・ジョンウォン先生が韓国人のソウルフードとも言われる「チャジャン麺」についておいしいお店を紹介しながら、歴史的視点、地理的視点、文化的視点など様々な観点からどのようにこのチャジャン麺が発達し韓国で愛されるようになったのか、その奥深さを語っています。
ウリBantanメンバーも大好きな「チャジャン麺」。
グクの高校の入学式と卒業式にはグクのおごりでチャジャン麺を食べに行きました。
テテは毎日食べていた時期もあるほど。テテはコチュカルは入れるけどお酢は入れない派。チャンポンの汁を少し入れて混ぜるとおいしいと言っていました。
ジンはお酢を入れて食べる派。(右に同じ)
Sugaはデビュー前にお金がなかったので200円の「チャジャン麺」を食べると帰りのバス代がなくなるので食べるかどうか悩んだことがあると当時のことを告白していました。
RMはダンスレッスンの休憩中にどうしても「チャジャン麺」が食べたくなって、1階にある油井食堂で一機食いした話は有名。ソロ活動が始まってBantanTVで自宅を公開した際もRMは起き掛けに「チャジャン麺」とタンスユクを頼んでいました。
ジンとRMはコロナ禍でチャジャン麺のモッパンをやってくれました。
2015.10.15 Eat Jinでもチャジャン麺を食べていました。
Run BTSでチャジャン麺の上にのるのは目玉焼きかグリンピースがいいのかという論争もありました。ジンはかならずグリンピースをよけて食べているとジミンに暴露されていました
Run BTS 2022 Special Episode - Telepathy Part 2ではジンとテテがチャジャン麺とチャンポンを頼んで食べるシーンがありました。食べている最中に二人ともお金を持っていないことに気づき...最終的にどうなったかはわかりませんが、銀行振り込みにするとジンが言っていたのが印象的。こういうの制作費でスタッフさんがはらってくれないんだ..
Bantanメンバーの「チャジャン麺」のエピソードは尽きません。
日本と韓国の中華料理のメニューはかんり違いますね。
Bantanメンバーがテニスの試合の後に豪華なホテル中華を堪能したシーン。ホテルの中華でもお料理のソースがどろっとしていてアメリカの中華のように片栗粉多めな感じ。
日本では見かけないメニューがたくさん。そして、デザートに?大学芋を頼んでいたのが印象的。グルメ博士のSugaは大学芋のおいしさでそのお店の腕がわかるとも。中華料理店で大学芋もだすというのもびっくり。
日本の中華料理はラーメン(進化していますが)やチャーハン、酢豚、麻婆豆腐、チンジャオロース、海老チリ、ホイコーロー、餃子、シュウマイ、春巻きなど。ラーメンはもはや中華料理にあらず、日本の大衆料理として進化し続けている。日本の華僑の方たちは四川、広東、福建、台湾出身の方が多い。対して韓国の華僑の方は対岸の山東省出身者が多い。
アメリカの中華はどちらかというと片栗粉が多すぎな感じ。アメリカの定番中華といえば、オレンジチキンや酢豚、胡椒多めのホットアンドサワースープ、チャーハンなど。Panda Expressは有名。
<チャジャン麺の歴史>
チャジャン麺が韓国に入ってきて140年と言われている。
歴史をさかのぼると、日本統治下の時代。
韓国の群山というところから日本に向けてお米が輸出され、お米を運ぶのは重労働だったため人手を確保するために対岸の山東省から多くの中国人が出稼ぎにきたことからはじまるとか。
19世紀の華僑の人たちが故郷を懐かしんで、麺をゆで、チュンジャンを混ぜただけの料理を食べていて、それが起源とされている。
1949年、中国が共産国にになったことで華僑の人たちは韓国に定住することに。ところが、華僑の人たちは居住区が決められ、様々な制限を受けたことから華僑の人たちは生きるために中華料理店を始めることに。実際、外国人である華僑の人たちに働く場は中華料理店しかなかった。
このチャジャン麺は韓国では中華料理に分類され、今でも華僑の人たちの一般的には中華料理店で販売されている。
<安い値段の背景>
1960-70年代、アメリカから無償で小麦粉の支援があり、混粉食が奨励され、1969年週に2回(水、土)、米食の提供が禁じられ、麺の日になった。そのような背景で、チャジャン麺は安くておいしかったので人気になったといわれている。その後、チャジャン麺の価格が統制され、政府の許可なくして値上げできなかった。
1970年代はコーラよりも安かった。安くておいしいということで大衆化し、韓国に定着したとのこと。
<韓国の中華料理店>
韓国には29,000店もの中華料理店がある。
韓国の中華料理は日本の中華料理とはメニューが全くことなり、チャジャン麺の他に海鮮ちゃんぽんや海老トーストやタンスユクなどが人気。ちなみに「ちゃんぽん」は日本語。
チャジャン麺は1日に600万杯食べられているとのこと。まさに国民食。
ちなみに日本の中華料理店の数は約60,000店。比率で言うと14.5%で日本料理店よりも多い。日本でも中華料理は人気ということですね。
<チャジャン麺で有名な場所>
中国と往来が盛んな港町、3か所が有名:仁川、群川、釜山。
仁川はチャジャン麵発祥の地と言われている。1882年に中国へ行き来するために仁川が開港されたとか。
<華商>
「華商」とは華僑がやっている本格的な中華料理のお店という印。「華」が入っているお店は代々華僑が経営するお店という意味で、味は間違いないとのこと。仁川や釜山には多いが他の地域では探すのが大変だとか。
なぜ釜山かというと、朝鮮戦争時に南下して仁川から釜山に逃げてきた人が多いからとのこと。「福」をさかさまに表示するのも特徴とのこと。
<チャジャン麺の名前の由来>
チャは「炸」で揚げるという意味。
ジャンは「醤」。
ミョンは「麺」。
<チュンジャン>
チャジャン麺は黒い「チュンジャン」と呼ばれるペースト状の調味料をたっぷりの油で揚げるところが特徴。
このペースト状の調味料がチャジャン麺の味の決め手。一見、中国の甜麺醤(テンメンジャン)に似ていますが、韓国人の口に合うように黒味噌にカラメルで加えて甘い味に仕上げたものだそう。
チュンジャンは大豆を発酵させた味噌のような調味料。最初の1年は色が薄いが3年間、陽にあてると黒くなる。
1948年に「ミョンジャン」(小麦粉を使用)を応用してソースの色を黒くし、甘みと絡める色素を加えてチュンジャンを作ったのが新しいチュンジャン。
「ミョンジャン」とは蒸した大豆に小麦粉を混ぜて冬の間に発酵させる。カビを増やすため日光にさらし、塩水に漬ける。昔はジャガイモやエホバなどを入れて甘みを出し、そこにミョンジャンを入れてソースを作った。それが様々な料理の下地になったとか。
<チャジャン麺のレシピ>
ラード、肉、玉ねぎ、ネギ、ニンニク、あらかじめ油で揚げたチュンジャン、砂糖を入れて炒める。
<チャジャン麵の付け合わせ>
たくあん
生のたまねぎ
チュンジャン
たくあんには酢をかけて食べていたことが起源で、今は酢が入った状態で売られているとか。
玉ねぎは生のたまねぎにチュンジャンを付けて食べる。(これは苦手)
<チャジャン麺を食べる機会>
祝い事や誕生日、引っ越し、入学式、卒業式など祝い事の時が多い。
1960年代から外食をするようになり、当初は卒業式の時だけだったが、経済的な余裕ができるようになり、その機会も増え、外食と言えば中華料理で、酢豚やチャジャン麺を食べた。
そして4月14日は何と「ブラックデー」と呼ばれ、恋人がいない人たちが黒い服を着て、黒いチャジャン麺を食べて親睦を深めるという日だそうです。
<出前箱>
さらに1980年代には出前ブームが。それまで木箱を使っていたが、アルミ製の軽い出前箱が登場し、出前も増えていった。
<バリエーション>
地域の人に合わせ、食材や味が変化。
カンジャン麺
片栗粉を使わずに揚げたテンメンジャンに野菜を入れて炒めたソース。ただし、カンチャジャン麺には卵はのせない。作り置きするのではなく、注文を受けてから炒める。肉、玉ねぎをチュンジャンで水を入れずに炒める。油っぽく見た目が違う。ソースと麺とわけて提供される。
サムソンチャジャン
イカやエビなど海鮮が入ったもの
ユニチャジャン麺
ユニは肉泥と書く。肉と玉ねぎを細かく刻んだもの。
釜山のチャジャン麺
半熟目玉焼きをのせるのは必須。目玉焼きは油で揚げるのが定番。
全羅道
全羅道では、お酒を注文するとチャジャン麺のソースがつき出し代わりに出てくる。
韓国南部では海鮮。
統営(トンヨン)ではチャジャン麺のソースをうどんにかけるウッチャという料理に。細切り野菜と豚肉のユスルチャジャン麺など。
木浦の「チュンカン」は焼き肉店で出される〆の麺で、細麺に細かく刻んだ肉と野菜のソース。
仏教徒用の菜食チャジャン麺。五辛菜(ねぎ、アサツキ、にんにく、ニラ、ラッキョウ)を入れないソース。
全羅北道全州は「ムルチャジャン」。野菜を醤油で炒め、海鮮を入れる。どちらかというと海鮮あんかけのような料理。黒いチュンジャンは使わない。
進化とともに最近では
トリフやステーキ入りのチャジャン麺も。
ロシアのパイシチューのようにパイ包みの中からチャジャン麺が出てくる料理も。
豚肉の角煮がのったものや、鉄板焼き、インスタ映えするタコが丸ごとのったチャジャンミョンなどがMZ世代にうけているとのこと。
さらにこれからも進化し続けるだろうといわれている。