絵本作家の千紗子は
長年にわたって絶縁状態となっていた父・孝蔵が認知症を発症したため、仕方なく故郷へ戻って介護をすることに
他人のような父との同居に辟易する日々を過ごしていたある日
彼女は事故で記憶を失った少年を助ける
その少年の身体に虐待の痕跡を見つけた千紗子は少年を守るため、自分が母だと嘘をついて一緒に暮らし始める
認知症が進む父と3人で
最初はぎこちないながらも次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく千紗子たちだったが…
作家・北國浩二の小説「嘘」を
長編デビュー作『生きてるだけで、愛。』の映像クリエイターの関根光才が監督したヒューマンミステリー
ポスターでも大々的にフィーチャーされている主演の杏さん一本かぶりかと思っていたら
突然千紗子の家に転がりこんでくる少年役・中須翔真(なかすとうま)くんをはじめ
千紗子の父・孝蔵役の奥田瑛二さん、佐津川愛美さん、安藤政信さん、木竜麻生さん、酒向芳さんなど
芸達者の好演に支えられて出来た珠玉の一本だと思います
特に山奥の医師役の酒向芳さんは
ブレイク作となった『検察側の罪人』以来の名演ではないでしょうか
いろいろな展開が考えられましたが
あの作品の中ではおそらくベストのラストシーンを迎えられたのではないかと思います
素晴らしかった!
[私の評価 ☆☆☆☆☆(5つが最高)]