気鋭のカメラマンとして活躍する太一は
さびれた写真館を営む鮫島の撮影した一枚の写真に心震わされ、華々しいキャリアを捨て、鮫島に弟子入りを志願する
他人に関心を持たず淡々と写真を撮っていた太一は
写真館に訪れる客ひとりひとりと対話を重ねることで、被写体と深く関わっていく鮫島の撮影スタイルに驚きを隠せずにいた
客たちの心残りや後悔に真摯に向き合っていく鮫島の姿勢に接し、太一は自分に足りないものがあることに気付き始める…

1964年に映画デビューして以降

名バイプレイヤーとして数多くの作品に出演してきた平泉成が、80歳で映画初主演を務めた作品

写真館の主人と若いカメラマンの交流を描いた、あるた梨沙の同名漫画の実写映画化


ちょっと話はそれるが

『バジーノイズ』という作品があった


当初は及第点だがそれ以上は…という作品だった

しかし、観た後になんか胸の奥でザワザワ感が残っており

2度目を観てそのザワザワ感の答えみたいなものがわかり

3度目には、すっかり作品の抗いがたい魅力にハマってしまっていた

そんな作品があるかと思えば…

本作は、なんとなくいい滑り出しだった

孤高の天才がいるが、周囲との付き合いは全くよくない

しかし、他者と関わることで、徐々に変わっていく…

この辺は、まさに『バジーノイズ』を思わせる

主人公・太一役を務める「Aぇ! group」の佐野晶哉さんも同様だ


太一が変わるきっかけとなった写真のモデル“けーき”ちゃんが登場

かわいらしい照れ


“けーき”ちゃんのお父さんが登場

田中健さんだ

いい感じのトシの重ね方、芝居もいい感じおねがい

ウンウン、傑作へまっしぐらだ♪


しかし、鮫島の息子役が出てきた時点で、ちょっとした違和感を感じ始める


そしてそれは、作品が進むに連れてだんだんと大きくなっていく…ショボーン

この作品は、美男美女しか出て来ないのか!?


もっと有り体に言えば

型にはまったクソ面白くもない芝居をするヤツばかり!

どうしてこう

“芸能事務所くさいヤツばかりが登場するんだ!?”


そりゃアンタいちゃもんだよ!と人は言うかもしれないが

僕はそう感じたんだから仕方がない

鮫島の息子のヨメ役とか

黒木瞳さん演じる母親に不自然なまでにくっついて出てくる結婚式場のアンちゃんとか


僕の隣に座っていた女性2人は涙を流していたので

この映画にハマる人にはハマるんだろう


しかし、僕は最後まで

この作品全体に対して、違和感が抜けなかったのである


監督は誰だ!?と調べてみて、海よりも深くナットク!

『20歳のソウル』の秋山純監督だ

かの作品でも“わざとらしさ”が印象に残った


本作は、平泉成さん、市毛良枝さんをはじめ

比較的いい役者が揃っているから、まだマトモに見えるのだ!


繰り返しになるが、ハッキリ言っていちゃもん以外の何物でもないかもしれない

しかし、個人的に

どうしても好きになれない作品である


太一のマネージャー・林役の田中洸希さんと

“けーき”ちゃんこと杉田景子役の咲貴さんが好演しているだけに

スゴ~く残念で仕方がないのだ


[私の評価 ☆☆☆(5つが最高)]