湖畔に建つ介護施設で、100歳の老人が何者かに殺害された
事件の捜査を担当する西湖署の若手刑事・濱中圭介とベテラン刑事・伊佐美佑は
施設関係者の中から容疑者を挙げて執拗に取り調べを行なっていく
事件が混迷を極めるなか、圭介は捜査で出会った介護士・豊田佳代に対して
歪んだ支配欲を抱くようになっていく
一方、事件を追う週刊誌記者・池田由季は
署が隠蔽してきた薬害事件が今回の殺人事件に関係していることを突き止めるが…
大森立嗣氏が監督・脚本を手がけ
作家・吉田修一氏の同名小説を映画化したヒューマンミステリー
大森立嗣監督というと、皆様どういう印象をお持ちでしょうか?
『日々是好日』や『MOTHER マザー』の監督…といえば、比較的いい印象をお持ちなんですかね?
僕は、麿赤兒さんの息子、大森南朋さんの兄貴…と共に
『まほろ駅前多田便利軒』や『さよなら渓谷』のような
わりとクセがあって、当たりハズレが激しい作風という印象があります
で、本作は…
悪いけど、良くない時の大森監督になってしまっているかなあと思います
2時間の尺で、重い作風というと
最近では吉田恵輔監督の『ミッシング』と似たような印象かなぁと思うんですが
『ミッシング』が、ほぼ何も解決しないにも関わらず、ドンヨリし過ぎない出来(と僕は思う)に比べ
本作は、真相は提示されるものの、最後の最後まで話が見えず
全体的に、大森監督が良くない時の独りよがりという感じがします
松本まりかさんをはじめ、福士蒼汰さん、福地桃子さんなど
キャスト陣はものすご~く頑張っていると思うんですがねえ
吉田修一氏の原作というと
『横道世之介』や『悪人』『怒り』等
映画化に成功した時には、ものすごい傑作になるんですが
その道は決してラクじゃありませんし
残念ながら成功してないなという例も、これまで数多く見られます
福士さんと松本さんのエピソードのみをクローズアップして
ピンクあるいはエロス作品を撮った方が、まだ良かったんじゃないかなあ
[私の評価 ☆☆★(5つが最高)]