10月12日の夜、女子大学生クララが焼死体となって発見された
捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー
2人はクララの周囲の容疑者となり得る関係者に聞き込みをするが、男たちは全員クララと関係を持っていたことが判明する
殺害は明らかに行きずりの犯行ではないにも関わらず、容疑者を特定することができない
捜査が行き詰まるなか、ヨアンは事件の闇へと飲み込まれていく…

『悪なき殺人』のフランスのドミニク・モル監督によるサスペンススリラー
ポーリーヌ・ゲナによる2020年のノンフィクション書籍をもとに
モル監督とジル・マルシャンが共同で脚本を手がけた

未解決事件が元になっているということで
案の定、観ていて陰々滅々な気分になっていくんですが
終わる時には、きちんと観客を映画館の闇から解放してくれるところが、実に上手いなぁと感心しました
さすが『悪なき殺人』のドミニク・モル監督!

主人公のヨアンが、いつの間にやら事件の闇に囚われていく様子を

彼が趣味で競輪場のトラックをひたすら自転車で走り続ける姿になぞらえていくんですが

このアイデアが秀逸


最初はなんてことのないトラックのシーンが

いつの間にやらドップリと闇に浸っている姿に見えてくる…

どうやったらこんな演出が思いつくのか?

ぜひモル監督に聴いてみたいです

(実はこのシーンが、ラストに繋がる…)

僕はとても気に入りましたが

全然引っかからない人には、面白くもなんともない作品にしか見えないでしょうねえ

[私の評価 ☆☆☆★(5つが最高)]