過去にある大きな後悔を抱え、身寄りもなく都内でひとり暮らす大学生の瀬野修太は

ある日、高額な報酬にひかれて「家族代行サービス」という仕事を始める

依頼主の安本恵子から

彼女の本当の家族のように振る舞うこと、彼女のほかの家族の前で仕事の話はしないことという条件を提示される

奇妙な依頼だと思いながらも、孤独な身の上だった修太は

安本家での仕事を通して、本当の「家族」という存在を知り始める

しかし、ある出来事をきっかけに安本家の隠された目的を知ることになる…


「家族代行サービス」という仕事を通して家族とは何かを描き

過去の罪と向き合いながら一歩踏み出していく主人公の姿を描いたドラマ


物語自体はスゴくわかりやすい、が…


「家族代行サービス」という太い柱をきちんと通してから、枝葉をつければ良いものを

肝心の柱に行く前に、いろいろ長々描いてからやっと「家族代行サービス」に行き着くという具合

だから柱が、柱たりえていないのである


何より主人公の修太が、ちっとも魅力的でないのだ

まあ、僕の趣味の問題かもしれないが…


ちっとも愛想が良くない修太に対し

彼の周りの親友…というより、友達どころか知り合い程度である、美鈴や誠があれこれ世話を焼くが

修太の心には全く届かない


美鈴役の大原優乃さんは、グラビアアイドルのオーラを消して一生懸命演じているが

脚本が明らかに良くないために

彼女の一人相撲というか、単にお節介焼きの一人よがりにしか見えないのだ

メジャーとは言えない映画を観ていると

皆それぞれ一生懸命やっている


しかし、ごく稀に

どう考えても、作り手の一人よがりでしかないものに出会うことがある

本作は正にそれだ


繰り返すが、役者は全員頑張っている、とは思う


しかし、脚本・監督が良くないものは

役者の力ではどうしようもない…


主演の中田圭祐さんの責任もさることながら

監督の『初恋スケッチ まいっちんぐマチコ先生』の神村友征氏の責任は極めて大だ😅


次回作はたぶん観ないと思うが

もし観る機会があったとして、本作と同じようであれば

(ていうか、一、二本程度で実力が劇的に変わるものでもないが…)

絶対に、二度と神山監督の作品は観ないと誓うものである

[私の評価 ☆(5つが最高)]