稽古の最中に倒れて病院に運ばれた空手講師の桧山大介は、白血病との診断を受ける

闘病により体力は衰え、空手も恋人も失い

助かるためには骨髄移植しかないと医師に告げられるが

適合するドナーはなかなか見つからなかった

そんな中、新潟県糸魚川に住む桜井美智子という女性が適合すると判明するが
彼女の家族は彼女がドナーになることに反対していた…


俳優の樋口大悟が、骨髄移植によって命を助けられた自身の経験をもとに紡ぎ上げたヒューマンドラマ


まず、骨髄移植によって命が助かった俳優自身が、企画・原案・主演まで務めているというところに

この作品の意味というものをものすごく感じます


しかし、厳しいことを言うようですが

そのことと、この作品の評価は別です


白血病がテーマになった映画は数多いけど

骨髄バンクのドナーとなる家族を描いた映画は

僕は観たことがありません

それだけでも、この映画は価値があると言えます


そのドナー役を演じた松本若菜さん

メジャーから自主映画まで幅広い活躍で

本作での彼女の素晴らしい演技は、実に頭の下がる思いです!

夫役の岡田浩暉さんも、好演でした

僕の好みを言えば、このパートだけでも十分ドラマティック…
いや、それだけでは足りないと、本作の作り手側は言いたいのでしょうが
患者側の樋口大悟さんのパートは、もうちょっと少なくても良かった気がします

だって、患者側のエピソードは
悪いけど、様々な作品で十分過ぎるくらい描かれているから

いつドナーが現れるかわからない不安と戦っている患者側と
苦悩する骨髄バンクのドナー側との、画のトーンの対比が明確で
わかりやすい演出は良かったと思いますけれども…

それと、ラストシーン
これは完全に創作と存じますが
主役の樋口大悟さんに、ちょっと花を持たせ過ぎかなあ
自分を助けてくれた方はわからないけど、今日も僕は生きております…と現実どおりにした方が
かえって観客の心にアピールするものがあったと思います

まあトータルで、及第点…といったところです

[私の評価 ☆☆☆(5つが最高)]