8年間連載してきた漫画が完結した“元”売れっ子漫画家の深澤は、次回作のアイデアが浮かばず敗北感を募らせ

すれ違いが生じていた妻のぞみとの関係も冷え切り、自堕落で鬱屈した日々を過ごしていた

そんなある日、風俗店を訪れた深澤は

猫のような眼をしたミステリアスな女性ちふゆに出会う

自分のことを詮索しないちふゆにひかれた深澤は、ちふゆとともに彼女の故郷へ行くことになるが…


『ソラニン』などで知られる漫画家・浅野いにおが漫画家の残酷なまでの業を描いた同名コミックを

俳優のみならず映画監督としても活躍する竹中直人のメガホンで実写映画化


竹中監督の作品は、最近はより作家性が強くなってきていて

観てみるまで出来はわからないというのが実状

今回も、観る人によって賛否が分かれると思います


僕個人は

竹中監督の作品で、久々に前のめりになって観る作品に出会えたと思いました

出番の長さに関わらず、どの女優さんも非常に印象的に撮られていた気がします

趣里さん、MEGUMIさん、安達祐実さん、山下リオさん、玉城ティナさん…


特にMEGUMIさんは

これまでの彼女のパブリックイメージどおり、気が強い奥様役かと思いきや

見た目に反して、ものすごくダンナを立てようとする、ある種古風な女性を好演していらっしゃいました

本作のプロデューサーを兼ねているということも関係しているんでしょう

更にまた一歩、前進した気がします


主人公の深澤は、それこそ観る人によって様々な見方があると思いますが

僕は、漫画は天才的かもしれないけど、人間としてはいろいろ欠けた男だと思いましたね

ま、こんな人物は

芝居の世界で今まで腐るほど見てまいりましたけれども…


上手く言えませんが、僕は非常に好きな作品でした

もう一回観れば、この作品についてもう少しまともな文章が書けるようになるかも(?)しれません

[私の評価 ☆☆☆★(5つが最高)]