写真家の男が川辺を歩いていると
川のほとりで衰弱している老人に、何やら原稿の束を渡している女性の姿を目にする
翌日、再び男がその場所に行くと、その原稿を読んでいる人々がいた
そこには、原稿を老人に渡した女性が書いたと思われる
この川辺の街での日常がしたためられていた
一方、ある日いつものように川辺にやってきた女は
見知らぬ黄色い自転車と川辺に座る男の姿を見る
数日後、男がアパートの隣室に引っ越してきて
女の部屋に夜な夜な男が弾いているらしいピアノの音が聞こえてくるようになる
男の生態が気になった女は、黄色の自転車に乗っていく彼の後をつけていくことにするが…これが長編デビュー作となる梅村和史監督が
2019年度京都造形芸術大学映画学科の卒業制作として手がけ、2020年・第44回サンパウロ国際映画祭でも上映された作品
あらすじ(らしきもの)を読んでみても、どんな映画かさっぱりわかりません
主役はどうやら女性(女の子?)らしいのですが、それもよくわかりません
この女性だけでなく、全体的に登場人物はあまりしゃべらないのです
おまけに、ストーリーはどうやら時制がメチャクチャ
上映時間も2時間を超えるときている…
そんな映画くだらないに決まってんじゃん、と思いきや
それがそんなことはないんだなあ
ワケがわからなくても、ついスクリーンに見入ってしまい
気がついたら、いつの間にか終わっていた、という具合
すご~く不思議な映画です
もちろん、くだらねえ映画と一刀両断してしまう方もいるだろうし
その方々を否定しようとも思いません
何ていうか、スクリーンの中には常にそよ風が吹いていて
(実際は、猛暑の中でスタッフ、キャスト共に汗だくになりながら撮影していたとのこと)
一篇の詩集を読んでいる感じでしょうか
観る人を確実に選ぶ作品ですが
興味のある方は、ぜひ劇場でご覧になってみてはいかがでしょうか
[私の評価 ☆☆☆(5つが最高)]
東京での上映は一旦終了してしまいましたが
3月に大阪で上映があるそうです
あと、昨日の上映の後にキャストによる舞台挨拶があったのですが
キャストも「こんな話…じゃないかしら?」という感じで演じていたとのこと
大丈夫、わからないのは観客のあなただけじゃないんで(笑)