自らを最高の天才と誇った佐久間象山ですが、それでもいくつかの失敗や挫折を経験しています。吉田松陰の黒船密航に加担して投獄されたこともその一つでしょう。
自らが設計、製造した大砲をお披露目する試射の場で、狙いを外れた弾が幕府直轄の寺に飛び込んで行ったり、砲身が爆発してしまったりしたこともあります。
「象山は、松前藩から頼まれた大砲ができあがると、この試射を上総国(千葉県)姉ヶ崎で行なった。最初のうちはよかったが、最後に爆発が起こって砲身が破裂した。まわりにいた者が多数怪我をした」(『幕末の明星 佐久間象山』 童門冬二 著)
ところが象山は、失敗して落ち込むことなど全くありません。むしろ「もっと応援してほしい」と臆面もなくいってのけるのです。
「松前藩では、「大金を投じたのに、こんな始末では甚だ迷惑だ」と文句をいった。ところが象山は、ちっともへこまない。逆に、「古語に、三度肱(ひじ)を屈して名医になるという言葉があります。失敗は成功の基です。あなた方大名家も、日本国のためにもっと拙者に金をかけて下さい。天下広しといえども、今の西洋砲術については拙者の外には人がおりません。拙者も、失敗を重ねているうちにだんだん名人になると思います」といい返した。松前藩は呆れて何もいわなかった」(同)
プレゼン大失敗の直後、窮地に立たされた状況にあって、クライアントの前でこうした発言を堂々とできる人は、なかなかいないのではないでしょうか。
しかしながら本メルマガで取り上げた「陽転思考の達人」を見ると、吉田松陰、高杉晋作、本田宗一郎、Sジョブズ、孫正義など、それをやってのけてしまいそうな何人かの名が思い浮かびます。
こうした彼らの生涯を辿ると、偉大な成功者は、ある意味、偉大な失敗者でもあったということが分かります。
大切なことは、失敗をしないことではなく、失敗をどう受け止め、どのように前進するかだということを彼らは教えてくれています。
象山も次のようにいっています。
「たとえ失敗や挫折をしても、次の目標に向かってしっかりと歩んで行け。足は道を歩くのだから、自分の置かれた状況や足元がどうであるかはしっかりと見据えろ。そのとき、多少歩行を妨げるような小石が邪魔をしたとしても、そんなものは蹴飛ばして行け」(同)
┌──────────┤書籍のご紹介├┐
□『幕末の明星 佐久間象山』童門冬二著
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