この州は伝統的に保守の牙城で、過去58年間に渡りキリスト教民主同盟(CDU)が州政権を握ってきた。
また、ドイツにおける核発電所(俗に言う原子力発電所)密集地でもある。
ドイツのメルケル首相はこのCDU所属で、それまでに社会民主党(SPD)+緑の党が作り上げた核発凍結の路線を覆した人だ。
今回の選挙を目前に控えた3月11日、日本で東北太平洋沖大震災がおこり、東京電力福島第一発電所が壊滅的な被害を受けた。
この事件は世界各地において反核発の流れを勢いづかせ、ドイツでも、もともと反核発を掲げる緑の党を中心に核発に反対する声が日増しに大きくなってきていた。
日本ではまだ報道されていないようだが、その中で行われた今回の選挙で、反核発を掲げる緑の党(Grün)が大躍進し、第一党になった。緑の党+SPDで過半数だ。
私がSCフライブルク情報を得るため毎日見ているバーディッシェ・ツァイトゥンク( ここ )でも大きく取り報じられているのは当然だ。
後追い記事で、緑の党は「環境首都」フライブルクで最高得票率を得たことが述べられている。最も緑の都市(die grünste Stadt=the greenest city) か。なるほど。
電気がないと困る。電力需要も増え続けている。産業の発展のために電力は欠かせない。
しかし、今や反核発のうねりは大きくなっている。
本当に企業で、家庭で、社会全体で今ほどの電力が必要なのかどうか。
よく考えてみる時だ。
それにしても、ヨーロッパやアメリカでは日本と比べられないくらい核発事故の報道が大きくなされている。当事者ではないだけに、冷静に。
福島第一発電所の爆発事故を最初に報じたのが日本の報道機関ではなかったことをどのくらいの日本国民が知っているであろうか?
爆破事故を「実況中継」した外国のTV局があったことをご存じだろうか?
福島第一核発事故処理の終焉は本当に全くわかっていないのだろうか?
最良を期待しつつ最悪を想定して対策を立てる。
これはリスクマネジメントの基本じゃないのか?
「想定外」などというまやかしの言葉は聞きたくない。
これ以上書くのはやめておこう。