世界に通用する日本人の作り方 -3ページ目

日本の製造業、自動車と電機の明暗を分けた理由(2)

前回の続きで、日本の電機メーカーについて説明したいと思います。

まず電機を重電と家電に分けます。重電も日本が強い分野のようです。性能と安全性と耐久性を満たしていれば低価格に対抗できるでしょう。日立、東芝、三菱は日本の強みである重電にシフトすることで黒字化を達成しました。

次に家電です。家電(特にハイテク)の新製品発表のサイクルは非常に早いです。故障に関してはメーカーも1年しか保証しません。ということは、家電から耐久性は放棄されたということです。そして安全性に関しても、現実的には問題になることはほとんどありません。ということは、勝負は「性能」と「価格」ということになります。日本の電機メーカーは性能を重視し、海外メーカーは価格を重視しました。デジタル家電は比較的簡単に作れるので性能に大差ないとなれば、価格の安い海外メーカーが勝つわけです。海外メーカーは莫大な収入を研究費に使えるので、性能も向上しました。良いサイクルができあがっています。日本メーカーは研究に使える収入がありません。残念ながら将来的に日本の家電メーカーは非常に厳しいです。

ただし家電の中でも白物、特に業務用に関しては「性能」「安全性」「耐久性」で勝負できますので、日本メーカーはまだまだ有利だと思います(市場規模は小さいですが)。

今となっては日本の家電メーカーが世界で勝つためには「性能」の面で革新性や独自性を出すしかありません(もはや価格対抗力を持たないからです)。もしくは海外の低価格メーカーが参入したがらない市場規模の小さな分野で圧倒的なシェアを取ることです。その後消費者を啓蒙して市場規模自体を広げていくという戦略があります。ニコンの一眼レフカメラはその例になると思います。

家電メーカーによる「性能」と「価格」での勝負には非常に厳しい戦いが待っています。薄型テレビや携帯電話だけでなく、太陽電池もこのような勝負が強いられつつあります。新しい分野なので、安全性や耐久性に関する重要性はまだ認識されていません。海外メーカーは、それらの問題が起こる前に「価格」でシェアを奪い取り、ライバルメーカーを再起不能にし、大きな利益をさらなる研究開発に投資して性能を向上させ、最終的には市場を独占するという戦略を取ると考えられます。今後、多くの日本製品がこのような戦略によって市場を奪われていくと予想されます。企業のリーダーは世界地図をしっかり見て、日本がどのような戦略で勝つのかを考えなくてはいけません。

アメリカはすごい国です。多くの製造業で敗れたものの、IT分野では最先端を走ります。Apple, Microsoft, Google, Facebookは全てアメリカ発です。コンピューターのOSは世界のハイテク製品を支配しています。検索からスタートしたGoogleもOSに参入し世界支配を企んでいます。実名登録のSNSからスタートしたFacebookも世界中の人間を支配したいと考えています。スタート地点は異なりますが、考えているゴールは同じです。世界地図をしっかり読んで、情報を頂点とする世界支配を考えています。これが英語の思考回路(こちらのブログ)の強さなのでしょう。日本人には全くない発想であり、しっかり英語を勉強すること、可能なら若いうちに海外に住むことを強く勧める理由なのです。



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日本の製造業、自動車と電機の明暗を分けた理由(1)

日本の製造業は自動車メーカーと電機メーカーが2本柱となっています。世界経済の崩壊と震災などの影響の中、自動車メーカーは復活しつつある一方で電機メーカーはどん底にあります。以下の海外からの記事で、その理由が考察されています。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM20036_Q2A820C1000000/

理由としてまず円高が挙げられますが、電機だけでなく自動車も強く影響を受けているので、説明できないということです。景気循環のタイミングの問題でもなさそう。それよりも、製品の違いそのものに理由があるだろうということです。つまり、「いまだに大きく複雑な機械の自動車には消費者は上乗せ価格を払う気がある一方で、薄型テレビはますます製品間の区別がつかなくなっている。ハイテク業界の勝者は革新者と低コスト巨大メーカーであり、日本企業は採算の合わない中途半端な位置にある。ただし、電機メーカーのうち発電や電車などの重電を持つ総合メーカーは黒字化できており、消費者に依存する家電メーカーに負け戦が待っている」と述べています。

この記事が挙げる「製品の違いが理由となる」ということに私も賛成です。ただしこの記事は少しわかりにくいので、私が補足しつつ説明したいと思います。

まず、自動車が強いのは作るのが難しいから。日本人は難しい物を作るのが得意です。特に安全性は最も大切です。まず勝手に燃えない方が良い。そして遠距離ドライブで突然止まらない方が良い。しかも快適な方が良い。さらに燃費などの性能も優れている方が良い。基本的に日本車はこれらを全て満たしています。自動車には信頼が非常に重要で、日本車は信頼できます。これがブランドです。アメリカでは中古車売買が盛んで、非常に高く売ることができます(日本で大手の中古車販売会社に売ると鉄屑のような価格になりますが…)。少々値段が高くても将来高く売れるのなら、信頼できる日本車を買うのは当然のことです。某インドメーカーの超低価格車にように安全性や性能が疎かにされているのなら売れるはずがありません。

ちなみに今日バスの中から実際に走っている自動車のメーカーをチェックしてみました。その結果、約80%が日本車でした。そのうち、トヨタが50%、ホンダが30%、日産が10%、マツダとスバルを合わせて10%といったところです。外国車では、GM、ベンツ、BMW、レクサス(厳密には日本車です)、フォルクスワーゲンの順になると思いますが、GMでも日産より少ないようです。トラック系はフォードが強いようです。ちなみに今日は三菱と現代を一台も見ませんでした。この結果はサンフランシスコという坂の多いタフな都市で、裕福で教養のある住民が多いということと関連していると思います(良い客は良い品を選ぶということです)。さらに新車販売と異なり、中古車として残るのは日本車ということで、予想以上に日本車が多いのでしょう。

日本の自動車は「性能」と「安全性」を満たしており、しかも売買可能な「耐久性」を持つという点で、低価格に対抗できると考えられます。

次回は、日本の電機メーカーについて説明したいと思います。



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日本の外交力は幕末から変わっていない

WBC不参加問題(こちら)の続きです。

今回、選手会の決議を多くのファンが支持しています。感情的には理解できますが、このやり方は三流国家の解決方法と同じです。つまり、国民が植民地解放運動によって政府と支配国に抗議するのと同じです。

一応確認しますが、NPBはWBCIとの不平等条約にサインしたのです。選手会はNPBの労働組合ですから、文句を言ってもWBCIにとっては知ったことではありません(無視されて当然です)。しかも、過去2回の大会に出場した実績があります。さらにNPBは第3回大会への参加も表明したのだから、契約は生きているのです。WBCIにとって選手会のボイコットは別の問題(日本国内の問題)であり、基本的にはNPBが解決するのを待つしかありません(もちろん譲歩により解決しやすくすることは可能です)。

どうすればこの問題は起こらなかったのでしょうか。まず、NPBが不平等条約にサインせずに、もっと自己主張するべきでした。そして、選手会はこの不平等条約の下では戦えないと第1回大会からボイコットするべきでした。もし選手会がNPBから不平等条約について詳しく知らされていなかったと主張するのなら、2回も出場してから気付くなんて遅すぎます。要するに、日本人は未来のことを予想する力が弱いのです。今頃気付いても、そして今頃駄々をこねても、「覆水盆に返らず」です。残念ながら日本の負けです。外交、交渉とはそういうものです。

日本人の未来予測能力が弱い理由に日本語の特徴が挙げられます(こちら)。だから英語もしっかり勉強して、言語能力を磨かなくてはいけないのです。

はい、はい、と不平等条約にサインするお人好しな日本人。150余年前の日米修好通商条約のときから何も変わっていないのですね…。日本のグローバル化…時間がかかりそうです…。こんなのでTPPは大丈夫なのでしょうか。何も見通せていないので非常に心配です。今からでも参加を取りやめるのが無難です。交渉は受け身では成功しません。未来を見通せる戦略が必要です。

さて、これからWBCはどうしましょうか。不参加を貫いても撤回してもどちらでも良いと思います(長い目で見て野球界にはそれほど大きな影響を与えないと思いますので)。もし参加するのなら、一度低下した選手のモチベーションを引き上げるのは簡単ではありません。ベストメンバーを作っても優勝できない可能性が高いです。参加の有無は個人に任せるというのが良いと思います。そうすることで将来WBCを縮小させることもできます。消滅してからもう一度、公平な第3者期間の設立を提案してみればどうでしょうか。昨日述べたように、その実現は非常に難しいと思いますが…。

ちなみにダルビッシュ選手は出場しないと思いますよ。そっと見守ってあげましょうね。