[ドライマウスを改善する身近な食品とは?]
(あなたの健康百科 2018年02月01日)
口の中が「ヒリヒリと灼けるように痛い」「ベタベタ、ネバネバする」-
そんな症状が現れれば、ドライマウスの可能性がある。
ドライマウスは食べ物の味を感じにくくなる味覚障害などの原因となる恐れも
あり、治療が必要だ。
東北大学大学院歯学研究科口腔診断学分野教授の笹野高嗣氏は、ドライ
マウスの改善に有効な、身近な食品を使った独自の治療法を見いだした。
<「口が渇く」より「ヒリヒリ」「ネバネバ」の訴え>
ドライマウスとは、唾液分泌量が低下し、口内が乾燥した状態になること。
加齢や薬の副作用、ストレスなどが原因で、口内のヒリヒリと灼けるような
痛みやねばつき、口臭、味覚障害などを引き起こす。
笹野氏によると、ドライマウス患者が言葉通り「口が乾く」と訴えることは
少なく、痛みやねばつきを訴える方が多いという。
心当たりのある場合、口に水を含んで痛みなどの症状が消えればドライ
マウスである可能性が高い。
<「うま味」に唾液分泌促進作用>
唾液を分泌する唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺を含む大唾液腺のほか、
歯肉以外の口腔粘膜全体に存在する小唾液腺があるが、笹野氏はこの
小唾液腺に着目している。
小唾液腺は口腔粘膜の直接的な保護や保湿、再生の役割を担っており、
ドライマウスの改善には小唾液腺からの唾液分泌量が重要だという。
さらに、小唾液腺からの唾液分泌には味を感じる味蕾細胞を保護する働きも
ある。
そこで、笹野氏が小唾液腺における唾液分泌と味覚の関係について検討した
ところ、5基本味(甘味、酸味、苦み、塩味、うま味)のうち、酸味と
うま味が唾液分泌量を大幅に増加させ、酸味による効果は一時的だが、
うま味の効果は持続性があることが分かった。
<昆布だしのうま味を活用>
この結果を踏まえ、笹野氏は「うま味」を活用した独自のドライマウス
治療法を発案した。
使用するのは、我々日本人に身近な食品でありうま味成分を含む「昆布」で、
水500mLに昆布40gを1晩浸してだしを取るだけ。
お湯ではなく水を使うことでだしにとろみがつき、保湿効果が生まれる。
使い方は、口の乾燥を感じたときなどに1日約10回、30秒間口をすすぎ、
そのまま飲んでもよい。
訓練を重ねることで、2週間ほどで唾液分泌の改善を実感できるという。
http://kenko100.jp/articles/180201004488/#gsc.tab=0