[殺虫剤、パーキンソン病の発症を早める!]
(健康トレンディー 2007年)
低レベル濃度の殺虫剤であっても、過去に殺虫剤に照射されていると、
パーキンソン病の発症を早めることが実験によって確認された。
<正常者の脳よりも3倍の農薬が発見される>
アメリカでは、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』による警告に端を発し、
ディルドリンやDDTなどの殺虫剤は1970年代に使用禁止になっているが、
まだ土壌にはそれらの低濃度の残留物が滞留している。
アメリカ化学協会(the American Chemical Society)の研究者らは、過去に
DDTやディルドリンに照射されていることと、パーキンソン病の発症との
関係を次のような実験によって確認した。
パーキンソン病の患者14人とパーキンソン病にかかっていない12人から採取
した脳の組織を調べたところ、前者には後者の3倍以上のディルドリンと
DDTの分解成分が含まれていることがわかった。
さらに研究者らは、微量のディルドリンを実験用のマウスに与えたところ、
わずか1ヵ月後に遊離基によってもたらされる脳の損傷の程度が増加したとの
こと。
遊離基は化学合成物やストレスなどによって生成され、細胞に悪さをする
物質である。
以上の研究結果は、ハーバード大学の公衆衛生学部のAlberto Ascherioさんが
以前に行なった研究をさらに補強するものである。
Alberto Ascherioさんは、143,000人を調べ、殺虫剤に照射されている人は
パーキンソン病にかかる危険性が70%高いことを発見している。
この研究結果を踏まえて、研究者たちは、低レベル濃度の農薬でも、継続的に
照射されるとパーキンソン病の発症を早める可能性があるという。
つまり、本来なら70代で発症するはずのものが60代で発症する可能性が
あるというのである。
<予防法>
DDTなどはかつては夢の農薬と言われていた。
筆者も小学校時代に教室で白いDDTが散布されるのを経験している。
したがって、団塊の世代の人はパーキンソン病を発症させる危険性が高い
ので、今までわかっているパーキンソン病の予防法を紹介しておく。
(1)毎日1杯コーヒーを飲むこと。
コーヒーに含まれるカフェインが脳の損傷を防止する働きがある
からだ。
(2)定期的に運動すること。
定期的に運動する人はパーキンソン病の発症の確率を低くできると
考えられている。
(3)抗酸化物質をとること。
濃い色の野菜やブルーベリー、オレンジなどの抗酸化物資をとることは
脳への損傷を防止すると考えられている。
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