[歯のぐらぐらに再生医療の可能性、歯周炎の損傷回復か]
(Medエッジ 2014年10月23日)
<活用可能な「間葉系幹細胞」の分離に成功>
歯がぐらぐらになるのはいやなものだ。
歯周炎が起きて、歯を悪くする人は少なくないはず。
再生医療が注目されているが、歯のぐらぐらに使える可能性が浮上している。
中国・西安の第4軍医大学歯科保存・歯内治療学部を中心とした研究
グループが、歯科分野の国際誌であるバイオマテリアルズ誌2014年11月号で
報告しているもの。
<歯の組織を形成する力もある>
歯の周りの炎症の部分から、細胞を取ってきて、それを増やして歯の周りの
再生に使おうという発想だ。
取ってくる場所は、歯ぐきの炎症(歯肉炎)の部分のほか、骨まで溶けた
歯周炎の歯の神経(歯髄)の辺りになる。
骨や血管の細胞になれるような幹細胞で、「間葉系幹細胞」と呼ばれるものを
取ってくる。
研究グループは、若い人で起きる歯周炎で、炎症が起きている部分の歯から
取ってきた幹細胞がうまく再生医療につかえるかを検証した。
正常な奥歯の周囲の細胞と比べるという研究となる。
結果として、悪化した歯周炎であっても、炎症があるところから細胞を取って
きて、活用可能であると分かった。
間葉系幹細胞が存在しており、細胞を増やしていくことが可能だった。
歯の根元に細胞を移植すると、歯を形作る象牙質、歯髄の特徴を持つ組織が
作られて、正常な歯から取った細胞とやや劣るものの、再生医療に使える
可能性を確認できた。
自分の細胞を使った歯の再生医療には前向きな結果といえる。
http://www.mededge.jp/a/eeee/3532