味覚異常・・・真菌感染かも | アクティブエイジング アンチエイジング

[医療相談:味覚異常 服薬の効果ない]

(読売新聞  2010年4月15日)


昨年4月から味覚異常に悩まされ、口の中が渋い感じがします。
舌も荒れて割れています。
これまで亜鉛やステロイドなどの薬を服薬しましたが効きませんでした。
(62歳男性)



<真菌感染にステロイド 逆効果>
味覚異常には、完全に味を感じなくなる「無味覚症」や本来と異なる味がする
「味覚錯誤」、臭覚に異常がある「風味障害」など様々な症状があります。

質問者のように、口が渋い、苦いと感じる場合は、「自発性味覚異常」と
言います。



味覚異常には様々な原因が考えられます。
  ・糖尿病
  ・甲状腺機能の低下
  ・高血圧症
  ・ビタミンAやB1、B2の欠乏、
  ・薬物の副作用による口の中の乾燥
などが挙げられます。

また、「舌ブラシ」でこすりすぎたり胃腸機能が低下したりすると、味を
感じる舌の「乳頭」が萎縮してしまうことがあります。

水分を取りすぎると神経が圧迫され、味覚障害が起こることもあります。



味覚異常になると、舌に異常が出ることが多く、それぞれに合わせた薬を飲む
ことが大切です。
一般的に亜鉛が使われますが、通常の食事で亜鉛が不足することは少なく、
効果が上がらないことが多いようです。

例えば、舌の溝が赤い場合、カンジダなどの微量の真菌感染が原因となって
いることがあり、抗真菌剤を使います。
この場合ステロイド薬を使うと逆効果です。

また、舌が割れている場合は、舌の粘膜を正常にする必要があります。
貧血や口腔の乾燥を改善する漢方薬が効果的です。

さらに舌が腫れぼったい場合は、「五苓散」などの利尿作用のある漢方も
有効です。

味覚異常に詳しい歯科医を受診し、相談してみてください。



柿木保明 九州歯科大学付属病院 高齢者歯科教授(北九州市)