プロトポンプ阻害薬(PPI)が精子の質に影響を及ぼす | アクティブエイジング アンチエイジング

[妊活時は要注意! 胃潰瘍薬が精子に悪影響?]

(あなたの健康百科  2017年01月24日)


<オランダからの研究報告>
妊娠するために体を整えたり、食べ物や飲み物に気をつけたり、健康に留意
したりすることは、何も女性だけの問題ではない。
男性にも体に気を遣って、女性中心になりがちな「妊活」に力を発揮して
もらいたいが、このたび、胃潰瘍治療薬の1つであるプロトポンプ阻害薬
(PPI)が精子の質に影響を及ぼすとする研究結果が、オランダのグループに
より医学誌「Fertil Steril」(2016; 106: 1666-1672)に発表された。



<薬服用で総精子数100万以下のリスクが約3倍に>
PPIは胃・十二指腸潰瘍の治療に使われ、胃酸分泌刺激を抑える働きがある
治療薬で多くの医療機関で処方されている。
PPIを使用すると胃・十二指腸潰瘍の90%以上が8週以内に治ることが多く、
症状の改善や治すスピードもH2ブロッカーよりさらに早くなったという。


同グループは、1996〜2013年のオランダのデータベース(一般診療所720
施設の患者約150万人の医療記録を登録)のデータを用いて、妊娠を計画
しているカップルの若年男性で精液検査を受けた2,473人のうち総精子数
(TMSC)100万以下の241人を対象とし、TMSC 100万超の対照714例との
間でPPIの使用とTMSCとの関係を検討した。

年齢とPPI以外の他の薬剤使用を調整した結果、精液検査前6〜12カ月間の
PPI使用は低TMSCのリスクが2.96倍と高くなっていた。

同検査前6カ月以内のPPI使用は低TMSCと有意な関係はなかったという。


妊活中の男性には、薬の使用にも注意する必要がありそうだ。





http://kenko100.jp/articles/170124004219/#gsc.tab=0