[ご存じですか いびきは万病のもと]
(あなたの健康百科 2002年)
<毎晩かく人の半分以上は睡眠時無呼吸症>
<糖尿病や高血圧の温床に>
いびきは、毎日続くような場合は要注意。
上気道抵抗症候群や睡眠時無呼吸症候群の可能性がある。
「いびきは万病のもと」と、東京大学医学部付属病院老年病科の寺本信嗣
講師は、注意を呼び掛けている。
<昼間眠く、集中力欠く>
いびきは、空気の通り道である上気道の閉塞による異常音。
「毎晩、いびきをかく人の半数以上は、7時間の睡眠中、30回以上呼吸が
止まる睡眠時無呼吸症候群なのです。眠りが浅くなるので、昼間眠くなったり
集中力が欠けたりするばかりか、糖尿病や高血圧など生活習慣病の温床に
なります」と寺本講師。
睡眠時無呼吸症候群の人を10年間追跡調査したところ、脳梗塞や心筋梗塞で
死亡するケースが多かったという報告がある。
「睡眠時無呼吸症候群には多くの問題がありますが、まだ認識が甘いのが
実情で、うつ病と間違えられている人もいるほどです」
<起床時にのどの渇き>
うつ病と診断されて治療に睡眠薬が用いられると、睡眠中に筋肉を緩める
ので、症状が改善されないばかりか、逆に悪化する。
「睡眠時無呼吸症候群に至らなくとも、いびきがひどい人は、上気道抵抗
症候群の可能性があります。この場合も、やはり昼間眠くて集中力に欠ける
ため、交通事故などを起こしやすいのです。
毎晩のようにいびきをかく人は、最寄りの耳鼻咽喉科か呼吸器
内科を受診すべきです」
いびきを自覚していない人もいるが、朝起きたときにのどが
渇いている場合は、いびきをかいていることが多く、受診した方が
よい。
「検査はまず、携帯型無呼吸モニターで状態を見ますが、診断では
1〜2晩入院して、脳波、呼吸、心電図、酸素モニターといった
総合検査が行われます」
治療は、鼻持続陽圧呼吸法が有効。
これは、睡眠中、顔に掛けたマスクに空気を送り、その圧力で
上気道を広げる方法で、3年前から健康保険が適用されている。
http://www.medical-tribune.co.jp/kenkou/200212202.html