青魚は1型糖尿病にもよさそう | アクティブエイジング アンチエイジング

 [青魚は1型糖尿病にもよさそう]

(あなたの健康百科  2017年08月07日)


糖尿病というと、食べ過ぎや飲み過ぎ、喫煙など生活習慣の乱れと関係が
深いとされる2型糖尿病を指すことがほとんどだ。

それに対し1型糖尿病は、生活習慣とは関係なく発症し、子どもや若年層に
多いのが特徴だ。

このたび、青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸が、1型糖尿病患者に起こる
手足の感覚異常などの神経障害を改善する可能性があることが、カナダの
トロント大学が行った研究で明らかになった。

詳細は、6月13日発行の医学誌「Neurology」(2017;88:2294-2301)に掲載
されている。



<オメガ3脂肪酸の投与後に角膜の神経線維が伸長>
糖尿病の合併症として起こる神経障害は、しばしば自覚症状がないまま進行
してしまう。
すると、例えば足の傷に気付かずに、そこから細菌に感染して細胞が壊死して
しまい、切断を余儀なくされるケースがある。
そうした最悪の事態を防ぐには、神経障害の早期の発見と適切な治療が大切
だ。


今回、研究グループは、1型糖尿病患者の感覚神経や運動神経が障害されて
起こる多発性神経障害が、オメガ3脂肪酸の補充によって改善されるかに
ついて検討するため、1型糖尿病患者40人を対象とした試験を実施した。

対象となった40人のうち、女性は53%だった。
平均年齢は48歳、体格指数(BMI)は平均28.1、1型糖尿病を患っている
期間は平均で27年だった。

対象者全員が、オメガ3脂肪酸のサプリメントを1日当たり10mL服用した。
サプリメントには、エイコサペンタエン酸(EPA)750mg、ドコサペンタ
エン酸(DPA)560 mg、ドコサヘキサエン酸(DHA)1,020 mgが含まれて
いた。
1年間服用を継続し、糖尿病に伴って起こる多発性神経障害の状態を調べた。

その結果、糖尿病性の感覚神経・運動神経の障害による多発性神経障害と診断
されたのは40人中23人だった。
また、神経障害を起こした1型糖尿病患者で短縮するとされる角膜の神経
線維の長さが、開始時は平均8.3mm/mm2だったのに対し、1年間のオメガ3
脂肪酸サプリメントの服用後には平均10.1mm/mm2と29%伸長した。

その一方で、神経伝導や知覚機能には変化が見られなかったという。


オメガ3脂肪酸は体内でつくり出すことができない。
オメガ3脂肪酸を多く含む食品やサプリメントで、意識的に摂取するよう
心がけるといいかもしれない。





(あなたの健康百科編集部)
 

 

 

 

 

http://kenko100.jp/articles/170807004365/#gsc.tab=0