[妊娠中の牛肉摂取が男児の生殖能力に影響]
(HealthDay News 2007年3月27日)
妊娠中に、牛肉を週に7回以上摂取していた母親から生まれた男性は精子数が
少ないとの研究結果が、米医学誌「Human Reproduction」3月28日号に
掲載された。
原因は明らかにされていないが、牛肉に含まれるホルモンや農薬などの化学
物質による影響が疑われている。
しかし、この知見については慎重に検討するべきだと研究グループはコメント
している。
米ロチェスター大学のShanna Swan氏は「牛肉を食べてはいけないという
わけではない」と述べ、妊娠中は十分なタンパク質の摂取が重要である点を
指摘。
別の専門家も、この研究だけでは結論を下すのは難しいとの見解を示して
いる。
今回の研究では、1949~1983年に生まれた男性387人について、精液検体を
分析すると同時に、母親の妊娠中の食生活について調べた。
その結果、母親の牛肉摂取量と精子濃度が反比例の関係にあることが判明。
母親が週7回以上牛肉を食べていた男性は精子濃度が24.3%低かったほか、
精子濃度の低い男性の割合が、母親の牛肉摂取量が少なかった男性の3倍で
あることもわかった。
ほかの肉類の摂取と精子濃度との間に相関はみられなかったという。
被験者はいずれもパートナーが妊娠しており、不妊ではないが、母親の牛肉
摂取量が多かった男性の18%がWHO(国際保健機関)による分類で
sub-fertile(生殖能力が低い)とされた。
米国およびカナダでは、ウシの成長を促進させるために6種類のタンパク同化
ホルモンが使用されている。
ヨーロッパでは1988年以降ホルモンの使用が禁止されていることから、
Swan氏らはヨーロッパの男性を対象に今回と同じ研究を実施することに
よって、ホルモンとの因果関係の有無を突き止める予定だという。
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