エストロゲン高値が心臓突然死リスクに関連 | アクティブエイジング アンチエイジング

[エストロゲン高値が心臓突然死リスクに関連]

(HealthDay News  2103年5月10日)


肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常症といった疾患が心疾患リスクに関わる
ことは知られているが、性ホルモンであるエストロゲンの高値も、男性および
女性における心臓突然死リスクの上昇に関連していることが、米シーダーズ・
サイナイ心臓研究所(ロサンゼルス)不整脈センター長兼ゲノム心臓学准所長
のSumeet Chugh氏らから報告された。


心臓突然死は心臓が突然、不用意に拍動を止めることによって起こる。
米国では毎年35万人以上が心臓突然死を起こしていると推計される。


Chugh 氏らが検討したのは、オレゴン州ポートランド市の市民を対象に
行われている大規模研究Oregon Sudden Unexpected Death Studyの
データ。
心臓突然死に至った群と、冠動脈疾患があるが突然死は起こしていない群
(非心臓突然死群)のデータを比較し、突然死を起こすリスク因子について
検討した。
血液などの生化学データは死亡時、あるいは医師の診察時に取得した。

その結果、心臓突然死群と非心臓突然死群で、一般的な心疾患のリスク因子
――糖尿病、肥満、高血圧、脂質異常症の保有率には差がない一方、心臓
突然死群では非心臓突然死群に比べてテストステロン濃度が男性で有意に低く
なっていることがわかった。
女性の心臓突然死群ではテストステロン濃度のわずかな上昇が認められた。

また、心臓突然死群では男女とも、非心臓突然死群に比べエストロゲン濃度が
有意に高く、テストステロン/エストロゲン(T/E)比が低くなっていることも
わかった。

この結果は心臓突然死とエストロゲン高値の関連を確認したものであり、因果
関係を認めたものではないが、Chugh氏は、この知見は急性心筋梗塞および
心臓突然死を起こすリスクの高い患者の識別に役立つと説明している。


本結果は5月8日~11日にコロラド州デンバーで開かれた米国不整脈学会
2013年次集会で発表された。
同データは学会発表時点のものであり、ピアレビューのある医学誌に掲載
されるまでは予備的なものとみなされる。




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