早産児の胃腸にみられる細菌の種類は少ないが危険性が高い | アクティブエイジング アンチエイジング

[早産児はより危険なタイプの細菌に感染している]

(HealthDay News  2011年12月9日)


早産児の胃腸にみられる細菌の種類は正期産児に比べて少ないが、カンジダ属
など早産児でみられることの多い細菌やその他の微生物はより危険性の高い
ことが、新しい研究で示された。


米デューク大学メディカルセンター(ノースカロライナ州)小児科准教授の
Patrick Seed氏らは、早産児11例を対象に、細菌、真菌、寄生生物のDNA
タイピングを用いて微生物を調べた。

その結果、5例に血液感染、3例に壊死性大腸炎が認められた。

早産児では抗生物質の投与終了後も、正期産児に比べて、消化器系の細菌の
多様性が少なかった。


また、早産児に認められた微生物の大多数に、非常に重篤な感染を引き起こす
ことが知られている種類の細菌が含まれていた。
また、早産児では正期産児に比べ、特に生後1カ月以内に感染が多くみられ、
感染の持続期間も長かった。
早産児の消化管には主に、便検体で認められる微生物に感染していたが、
表皮ブドウ球菌も含まれていた。


同氏らは、新生児にこれらの感染症が生じる原因は不明であるが、母乳や
血液、または環境などが原因として考えられると指摘。

Seed氏は「正期産児では多様性がより早く出現するが、早産児では細菌の
種類は少なく、生後1カ月間、その多様性が変化しない。乳児は特定の種類の
細菌に侵されるため、危険と思われる細菌が腸管に一定の区域を占めることも
ある。それが優位になると、乳児に感染リスクが生じる可能性がある」と
いう。

同氏はさらに、「これらの病原体がどこからくるのかを知ることが重要で
ある。一部の細菌は乳児および発達中の免疫システムにとって有益である
ため、例えすべてが有害な細菌であっても、それらすべてを取り除きたくは
ない。バランスが問題である」とも述べている。


研究結果は、オンライン医学誌「PLoS One」に12月9日掲載された。



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