[単核細胞症と日光不足が多発性硬化症リスクを高める可能性]
(HealthDay News 2011年4月18日)
多くの大学生を悩ます、蔓延しやすいウイルスによる伝染性単核細胞症と
日光への曝露がほとんどないケースの組み合わせが、多発性硬化症(MS)の
発症リスクを高める可能性が、新しい研究によって示唆された。
研究著者の英オックスフォード大学のGeorge C. Ebers博士は、多発性
硬化症は高緯度の地域に多く、日光曝露量が少ないといった環境因子と伝染性
単核球症の既往に関係することから、英国における多発性硬化症の分散の
説明におけるこの2つの組み合わせの有用性を検討した。
同氏らは、7年間にわたる英国国民保険サービス(NHS)所属病院への入院
データを調べ、多発性硬化症5万6,681例と伝染性単核球症1万4,621例に
注目した。
また、英国の紫外線レベルに関する米国航空宇宙局(NASA)の統計も検討
した。
その結果、日光曝露量および単核細胞症ウイルスに対する曝露によって全英の
多発性硬化症レベルの差のほぼ4分の3を説明できることが判明した。
日光曝露のみでは全分散の61%を説明できた。
Ebers氏は「ビタミンD欠乏が、多発性硬化症に関係するエプスタイン-バー
(EB)ウイルスに対する異常反応をもたらすが可能性がある。紫外線B波
(UVB)曝露量の増加、またはビタミンDサプリメントの使用、EBウイルスに
対して考えられる治療やワクチンが多発性硬化症例の減少につながるか
どうかはさらに研究が必要である」と述べている。
研究結果は、医学誌「Neurology(神経学)」オンライン版に4月19日掲載
された。
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