サーファーやダイバーに多い納豆遅発性アレルギー | アクティブエイジング アンチエイジング

[納豆で遅発性アレルギー なぜか多い海との接点]

(共同通信医療新世紀  2016年5月24日)


伝統的な発酵食品の納豆は、食べて半日もたってから全身に症状が出る、
珍しいアレルギーを起こすことがある。

これを研究する横浜市立大の猪又直子准教授(皮膚科)は「数は少ないが
症状は重い傾向がある。突然原因不明のアレルギー症状が出たら、納豆も
疑って」と話している。


猪又さんによると、納豆アレルギーの原因(アレルゲン)は「ポリグルタミン
酸」(PGA)と呼ばれるネバネバの主成分であると分かっている。
PGAは粘りやしっとり感を増すなどの有用な性質が注目され、食品や化粧品
などにも添加されている。


食物アレルギーは通常、食べて2時間以内に症状が出るが、納豆での発症は
5~14時間後と遅発性だ。
PGAは大きな分子で、腸内での分解に時間がかかるためらしい。

症状は、呼吸困難やじんましんなど「アナフィラキシー」と呼ばれる全身性の
ものが多い。
「夕食に取ると、深夜や早朝に症状が出ることになる。重い場合は危険」と
猪又さんは注意を促す。
対策は、納豆をはじめPGAを避けることだ。

何らかのきっかけで体がPGAに過剰に反応するようになり、発症するわけ
だが、きっかけは完全には解明されていない。


しかし猪又さんらは、なぜか患者に多い、海との接点に注目している。

横浜市立大で詳しく分析できた患者17人のうち、14人(82%)は
サーフィンやダイビングなど海のスポーツの愛好者。
その上、患者の1人は中華クラゲを食べてアレルギーを起こした。

クラゲの体内にもPGAがあることから、猪又さんは「海でクラゲに刺された
ことが原因になった可能性は否定できない。ただ、現時点ではあくまで仮説」
とし、さらに患者の調査を進めている。





http://www.47news.jp/feature/medical/2016/05/post-1502.html