悪性症候群に伴う唾液過多症 | アクティブエイジング アンチエイジング

[悪性症候群]

(Wikipedia/その他)


悪性症候群とは、向精神薬の重篤な副作用である。

ブチロフェノン系、フェノチアジン系などの定型抗精神病薬のほか、抗うつ
薬、炭酸リチウムなどのさまざまな向精神薬によって生ずる。
また、アマンタジンなどの抗パーキンソン薬の突然の服用中止によって発症
することもある。



<症状>
 ・無動
 ・寡黙
 ・筋固縮
 ・痙攣
 ・頻脈
 ・頻呼吸
 ・高熱
 ・発汗
 ・唾液過多症(流涎症)
 ・尿失禁
 ・意識障害



<機序>
最も有力な説によると、ドパミンD2受容体の遮断が関係していると考え
られている。

悪性症候群は一般に神経遮断薬によって引き起こされ、広い範囲の薬剤作用に
原因がある。
ハロペリドールおよびクロルプロマジンを投与された患者において最も
リスクが高いことが報告されている。
パーキンソン病などの患者の場合に、L-ドーパなどのドパミン作動薬を投与
されている状態から、急に投与量を減少させた際にも発生する。

神経遮断薬としては用いられない薬剤でも、抗ドパミン作用を有するもので
あれば、悪性症候群を誘発することがある(例、メトクロプラミド)。[
アモキサピンおよびリチウムなどの、抗ドパミン作動活性が知られていない
薬剤でさえ、悪性症候群に関与する。
デシプラミン 、ドチエピン、リチウムおよびフェネルジン、テトラ
ベナジン、レセルピンが悪性症候群の原因になることも知られている。

分子レベルで考えると悪性症候群は、ドパミン作動薬の打ち切り、または、
ドパミン受容体の遮断のどちらかが誘発する、ドパミン活性の顕著かつ突然の
減少により引き起こされる。



<リスク因子>
悪性症候群の発症に最も際立っているリスク因子は、治療のために行われる
薬物療法である。
効能の高い神経遮断薬、神経遮断薬の用量の急増、長時間作用型神経遮断薬の
使用は全て、発症リスクを増大させることが知られている。

遺伝的リスク因子が存在すると推測されており、ある症例の中で一卵性
双生児の両方が悪性症候群を呈したり、別の症例では母親と娘2人が悪性
症候群を呈しことがある。[

人口統計的には、特に40歳未満の男性に最大のリスクがあるとされているが、
40歳未満の男性において神経遮断薬の使用が増加したために症例数が増えた
のかどうか、明確にはなっていない。

出産後の女性の方がリスクが大きいこともまた示唆されている。



<血液検査>
筋肉の傷害に伴いクレアチンキナーゼ(CK、CPK)の上昇がみられ、特に
CKアイソザイムではMM分画の増加が認められる。

LDH、GOT、白血球数やCRPが上昇することもある。