[尋常性乾癬を発症しているときの日常生活の注意点]
(ヘルスケア大学 更新日:2016/12/09)
尋常性乾癬は発症してしまうと完治が難しい病気であり、原因も解明されて
いませんが、治療や日々の改善をすることで、症状がほぼ出ない状態にする
ことができます。
ここでは、すぐに実践できる日常生活の注意点について紹介します。
乾癬は完治が難しいとされていますが、適切に対処することで症状をほぼ
抑えることが可能です。
<乾癬の一般的な治療方法>
乾癬の治療はステロイドやビタミンD3といった塗り薬による治療が基本
です。
内服薬が処方される場合は、主にレチノイドやシクロスポリン、保険適応外
ですがメソトレキサートが使われ、紫外線療法も行われています。
こうした治療で効果が得られないときには、抗体療法という特定の抗原にだけ
結合する抗体を主成分とした医薬品を用いた治療が行われます。
<すぐに実践できる日常生活の注意点><皮膚に刺激を与えないようにする>
皮膚に刺激を極力与えないように、ゆったりした形状で綿や絹などの素材で
できた衣服を選ぶようにします。
かゆみが強くなったとしても、なるべくかくのを避け、爪をこまめに切る
ようにしましょう。
<食生活はバランスよく>
極端に食事管理をする必要はありませんが、栄養バランスのよい食事をする
ことが大切です。
肉類や脂肪分の多い高カロリーな食事やからい料理は、乾癬の症状を悪化
させたり、かゆみを強めたりすることがあります。
肉よりも魚を摂るようにし、あっさりとした食事が理想的です。
<季節の過ごし方>
乾癬の治療法として紫外線療法があるように、日光に当たることで症状が軽減
されるため、夏は適度に日焼けをすることが望ましいです。
しかしながら、急な日焼けはかえってかゆみが悪化することもあるので
気をつけましょう。
空気が乾燥する冬は、肌の乾燥から症状が悪化しやすいですので、こまめに
保湿をするように心がけましょう。
<お風呂の入り方>
皮膚を清潔に保つために、毎日入浴することが望ましいです。
ただし、お湯の温度が熱すぎると、皮膚の乾燥をまねくので、ぬるめのお湯で
短時間の入浴が向いています。
症状がでている箇所は石けんをよく泡立てて、ゴシゴシと擦り過ぎないように
します。
<他の病気と乾癬の関係について>
乾癬は糖尿病や高血圧症、通風などの生活習慣病や、リウマチ、腎炎や肝炎、
虫歯や歯周病による歯性感染症などを患っている(患っていた)人は、乾癬に
なりやすい傾向があります。
また、風邪や扁桃腺炎などの感染症は、症状を悪化させる原因になります。
また、高血圧治療薬、抗生物質、消炎鎮痛剤などにより乾癬を発症することも
あります。
万が一発症してしまった場合には、安静にして悪化させないようにしましょう。
<喫煙、飲酒、ストレスは乾癬によくないのか>
喫煙や飲酒が乾癬に直接悪影響を及ぼすというデータはありません。
しかし、喫煙によってのどを痛めて風邪をひきやすいですし、風邪に掛かると
乾癬はひどくなります。
飲酒によって体温が上がると、乾癬によるかゆみが増してしまうこともあり
ます。
また、ストレスは、乾癬の悪化要因の一つとなります。
ストレスを感じたらなるべく早く解消し、我慢しすぎないように過ごすととも
に、熱中できる趣味を持つのがおすすめです。
(この記事の監修ドクター 谷祐子先生 広尾プライム皮膚科 医師)
http://www.skincare-univ.com/article/012735/