歯周病は糖尿病や心疾患にも影響 | アクティブエイジング アンチエイジング

[歯周病は糖尿病や心疾患にも影響]

(HealthDayJapan 2006年6月15日)


口腔内の衛生に留意することは、歯を白くして虫歯をなくすだけではなく、
全身の健康も向上させることが、多数の研究で明らかにされている。
こうした研究は、同時に歯周病がさまざまな健康障害を引き起こすことを
示している。


歯周病は、歯肉への細菌感染で発症する疾患で、最も軽度なのが歯周組織に
炎症が起こる「歯肉炎」。
より深刻なのは、炎症が歯を支える組織に影響を与え、最終的に骨に達する
「歯周炎」で、成人後に歯を失う主な原因となっている。


歯周病が他の疾患に影響する一因としては、口腔細菌が血液中に浸入し、別の
部位の組織に炎症を起こすことが考えられる。
また、口腔感染が免疫システムの炎症反応を引き起こし、体の他の部位に
悪影響を及ぼすことも疑われている。


いくつかの信頼できる研究が、歯周病を治療することで糖尿病患者の血糖値が
正常値に戻ることを明らかにした。


また、米ニューヨーク州立大学歯学部口腔生物学教授のRobert Genco博士は
長期療養施設(ナーシングホーム)入所者の呼吸器疾患が、歯周病の治療に
より減少するとしている。
同博士は「これらすべては予備的研究であり、歯周病が病因か否かは明言
できないが、関連性は無視できない」と述べている。


米ノースカロライナ大学歯学部歯周病学教授のSteven Offenbacher博士は、
歯周病の炎症が早産を引き起こす重要な役割を果たすという。
「有機体(微生物)は血流に侵入することが可能で、それにより胎児や胎盤に
炎症が発生する。それが胎児に負担を与えて早産が促される」と述べている。

研究グループは、妊婦1,020人の口腔衛生を調査し、中等度から重度の
歯周病の妊婦(14%)は、歯周が健康な女性に比較し、早産リスクが2倍高い
ことを明らかにした。

Genco博士は「歯周病は目立った兆候のない静かな疾患で、罹患している
ことに気づかない人が多い」という。
糖尿病、呼吸器疾患、心疾患患者や妊婦を診療する医師は、治療対象の疾患に
歯周病が与える影響を理解していれば治療に役立つと述べている。

 

 

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