[ビタミンCを多く摂る人には頭頸部癌が少なかった]
(MEDLEY 2015年7月21日)
<オランダ4千人の観察研究>
口腔がんや中咽頭がんなどの頭頚部がんは、飲酒や喫煙によって起こりやすく
なると考えられています。
オランダの大規模研究で、ビタミンCの摂取量が多かった人は、その後の
頭頚部がんの発症率が低くなっていました。
<オランダ4千人の20年以上のデータから>
研究班は、オランダで約12万人を20年以上追跡した大規模研究のデータ
から、頭頚部がんを発症した415人と、対照として頭頚部がんの発症が
なかった3,898人の情報を取り出し、ビタミンの摂取量と頭頚部がん発症率の
関連について統計解析を行いました。
<ビタミンCに関連あり>
解析から次の結果が得られました。
ビタミンCと強い負の関連が、頭頚部がん全体(第4四分位群と第1四分位群
で多変量調整率比0.39、95%信頼区間0.23-0.66、P-trend<0.001)、
口腔がん(第4四分位群と第1四分位群で多変量調整率比0.35、95%信頼区間
0.16-0.77、P-trend<0.05)、中咽頭がん・下咽頭がん(第4四分位群と第1
四分位群で多変量調整率比0.29、95%信頼区間0.12-0.67、P-trend<0.01)に
見られた。
ビタミンCの摂取量が多い人ほど、頭頚部がん全体、口腔がん、中咽頭がん
および下咽頭がんが少なくなっていました。
この研究の方法では、必ずしもビタミンCががんを予防したとは断言
できません。
ビタミンCを多く摂る人は全体として健康的な生活習慣を持っていることが
多かったなど、ほかの原因も考えられます。
ただビタミンCは極端に不足すると壊血病が起こるなど、人体にとって必要な
物質ですので、適量を意識して摂ることが健康的なのは確かです。
https://medley.life/news/item/55a75e4bc5782f4501cea47f