心筋梗塞の女性の多くは胸痛がない | アクティブエイジング アンチエイジング
[心筋梗塞の女性の多くは胸痛がない]

(HealthDay News  2012年2月21日)


心筋梗塞を発症する女性5人のうち2人には胸痛がなく、顎、頸部、肩
または背中の痛みや胃部不快感、急な呼吸困難などのわかりにくい症状が
みられることが、新しい研究により報告された。
このことが、女性の心筋梗塞による死亡リスクが高い理由の1つであることも
示された。


研究の筆頭著者である米ワトソンWatsonクリニック(フロリダ州)心血管
予防・研究・教育部門長のJohn Canto氏によると、心筋梗塞の顕著な症状は
胸部の痛みと不快感だが、女性は発作の現れ方が異なることが多いという。

実際は胸部の痛みや不快感のある人のほとんどは心筋梗塞ではないが、
特に心疾患の危険因子(リスクファクター)のある人は男女ともに
症状に注意する必要があると同氏は述べている。

今回の研究は、米国医師会誌「JAMA」2月22/29日号に掲載された。


今回の研究では、米国の病院で1994~2006年に発生した心筋梗塞について
110万人強の患者のデータを分析。
女性は約42%で、発症時の平均年齢は男性よりも高かった。

男女合わせて35%強(約3人に1人)には胸痛がみられなかったが、
男性(31%)に比べて女性(42%)の方が胸痛のない発作を経験する比率が
高かった。
心筋梗塞による入院中の死亡も女性に多く、女性 14.6%に対して男性では
10%強であった。


米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク)のSuzanne Steinbaum博士に
よると、その他の心筋梗塞の症状として、発汗、吐き気、インフルエンザ様
症状があるという。
男女を問わず、突然日常の活動が困難になる症状があれば診察を受け、
「心筋梗塞ではないか」とはっきり医師に不安を伝えるよう同氏は勧めて
いる。

胸痛のない心筋梗塞では、男女ともに(特に若い女性で)、死亡リスクが
高まることも示された。

主な理由の1つは、症状を軽視して措置が遅れるためだという。

また、Canto氏によると生物学的な男女差も関連しており、胸痛のない場合で
比較すると、男性よりも女性の死亡リスクが高いこともわかっているという。





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