[子どもの虫歯の意外な原因とは?]
(MEDLEY 2015年10月27日)
<日本の研究チームが76,920人の子どもを分析>
喫煙と虫歯の関係はこれまで報告されていました。
今回の研究では、子どもが受動喫煙(他の人が吸ったタバコの煙を吸うこと)
していると、虫歯になる確率が高くなるかもしれないことを報告しました。
<妊婦の喫煙、乳幼児の受動喫煙と虫歯の関係を検証>
今回の研究は、神戸市で2004年から2010年に生まれた子ども76,920人を
対象に分析しました。
妊娠中の母親の喫煙と生後4ヶ月時点での受動喫煙について調査し、その後の
子どもの虫歯との関係を検証しました。
<4ヶ月時点での受動喫煙は子どもの虫歯発生の危険性を2倍以上に>
以下の結果が得られました。
3歳時点でのカリエスの危険性は14.0%(家族に喫煙者なし)、20.0%(家で
喫煙しているがタバコの煙を吸っている根拠がない)、27.6%(タバコの煙を
吸っている)であった。
傾向スコアで調整したハザード比は、2つの曝露グループで家族に喫煙者が
いない子どもと比べて、それぞれ1.46(95%信頼区間1.40-1.52)、2.14
(95%信頼区間1.99-2.29)であった。
受動喫煙が確かめられた子どもは、家族に喫煙者がいない子どもと比べて、
虫歯、歯の欠損、歯を埋める治療を行う危険性が2倍以上高いという結果で
した。
また、受動喫煙をしている根拠はないが家族が家で喫煙している子どもでは、
1.46倍でした。
しかし、妊娠中の喫煙と関連は認められませんでした。
虫歯は甘いものを食べるとなりやすい、ということは理解されていますが、
今回の研究結果のようにタバコとの関連はあまり知られていないかもしれま
せん。
子どもの歯の健康のためにもタバコに注目する意味があるのかもしれません。
https://medley.life/news/item/562a11e5f591e18468ac592e