[睡眠困難な人は糖尿病を発症しやすい?]
(MEDLEY 2016年4月20日)
<133,353人のデータから分析>
肥満の人は睡眠時無呼吸症候群という睡眠時に呼吸が止まってしまう病気に
なりやすいとされています。
また、2型糖尿病は生活習慣病のひとつであり、肥満や運動不足などと関係が
あります。
では、睡眠困難と糖尿病は関係があるのでしょうか?
<133,353人の女性の10年間にわたるデータから
2型糖尿病と睡眠との関係性を分析>
糖尿病は1型と2型に分けられます。
2型糖尿病は生活習慣病であり糖尿病全体の9割程度を占めます。
ここで紹介する研究では、アメリカのハーバード大学などの研究班が、
糖尿病、心血管系疾患、がんを持っていない133,353人の女性のデータを
分析し、2型糖尿病の発症と睡眠困難との関係性を統計的に分析しました。
<睡眠困難は2型糖尿病と関係性があった>
以下のような結果が得られました。
ベースラインのライフスタイル因子の調整後、睡眠困難を有する女性と
有さない女性とを比較すると、2型糖尿病に対する多変量調整された
ハザード比は1.45 (95% 信頼区間 1.33, 1.58)だった。
測定を繰り返して更新されたBMI、高血圧、うつによってさらなる調整を
加えた後は1.22 (95% 信頼区間 1.12, 1.34)に変化した。
4つの睡眠の問題(睡眠困難、頻繁ないびき、6時間以下の睡眠、睡眠時
無呼吸)の全てを報告した女性は2型糖尿病の可能性がさらに4倍に増加して
いた(ハザード比 4.17、 95%信頼区間 2.93, 5.91)。
睡眠困難を有する女性の方が2型糖尿病を多く発症していました。
さらに、睡眠困難、頻繁ないびき、6時間以下の睡眠、睡眠時無呼吸の
すべてを有する女性は発症の可能性が4倍になっていました。
2型糖尿病との関係が見られた要素の中に、睡眠時無呼吸も含まれています。
睡眠時無呼吸を引き起こすような高度の肥満は、2型糖尿病の原因にも
なりえます。
睡眠困難は、体が2型糖尿病に近づきつつあるサインとも受け取れるのかも
しれません。
2型糖尿病を防ぐためには、睡眠を見直すことも大事かもしれません。
https://medley.life/news/item/570c7d1f3268a91d008b476b