蓄膿症と逆流性食道炎の意外な関係 | アクティブエイジング アンチエイジング
[蓄膿症と逆流性食道炎の意外な関係]

(MEDLEY  2015年5月27日)


<デンマークの患者データを解析>
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は細菌・真菌などの感染によって、子どもを含む
多くの人に起こります。

この病気に、一見関係なさそうな胃と食道の病気である逆流性食道炎が関係
しているのではないか、という指摘があります。

デンマークで慢性副鼻腔炎と逆流性食道炎の関連を調べる研究が行われ、
確かに逆流性食道炎がある人には慢性副鼻腔炎が多かったことが報告され
ました。



<デンマークの逆流性食道炎患者と、ランダムに選んだ対照グループを比較>
研究班は逆流性食道炎の患者82人について、慢性副鼻腔炎がある人の割合を
調べました。

比較のため、デンマークの一般人口からランダムに選んだグループ(対照
グループ)の中で、慢性副鼻腔炎がある人の割合を調べました。



<逆流性食道炎があると慢性副鼻腔炎が多い>
調査の結果は次のとおりでした。

逆流性食道炎患者の間で、慢性副鼻腔炎の有病率は20.7%であり、全人口
おける慢性副鼻腔炎の有病率8.5%よりも有意に高かった。

逆流性食道炎患者のグループのうち、20.7%の人に慢性副鼻腔炎があり
ました。
対照グループの中では8.5%の人に慢性副鼻腔炎があり、逆流性食道炎がある
人のほうが慢性副鼻腔炎が多いという結果になりました。

この関連から、研究班は「逆流性食道炎は慢性副鼻腔炎の発症に関与している
かもしれない」と述べています。



一見まったく違った2つの病気に、意外な関連があるらしい、という結果
ですが、この結果では時間の関係がはっきりしないので、逆流性食道炎が
原因で慢性副鼻腔炎が増えるとも、慢性副鼻腔炎が原因で逆流性食道炎が
増えるとも、あるいは何か別の原因が両方の病気を増やしているとも解釈
できそうです。


とはいえもし因果関係があるなら、それぞれの病気が起こるメカニズムの
解明や、それに対する治療の研究につながるかもしれません。

実際にこれらの病気を診られている医師の方は、どんな仮説を立てられるで
しょうか?




http://medley.life/news/item/556400eb6a03a708017d14d7