鉄欠乏により高まる脳卒中リスク | アクティブエイジング アンチエイジング
[鉄欠乏により高まる脳卒中リスク]

(HealthDay News  2014年2月20日)


鉄濃度が低いと、血液の粘度が高まり、脳卒中リスクが上昇する可能性がある
ことが、英インペリアルカレッジ(ロンドン)国立心肺研究所のClaire
Shovlin氏らの研究でわかった。

研究論文は、オンライン科学誌の「PLOS ONE」2月19日号に掲載された。


Shovlin氏らは、肺の血管が太くなるまれな遺伝性疾患を有する500人近くの
データを検討した。
通常、肺の血管は動脈に血栓が入らないようにするが、これらの患者では、
血栓が肺を通り抜け、脳へ移動し、脳卒中を引き起こす。

研究の結果、鉄欠乏がみられる被験者では血小板の粘着性が高く、脳卒中に
なる可能性が高かった。
鉄濃度がやや低い場合でも、脳卒中になる可能性は正常範囲の中ほどの
鉄濃度の被験者の約2倍だった。

Shovlin 氏らは、多くの人に、血栓に肺の濾過システムを迂回させる別の
状態がみられ、今回の結果が最終的に脳卒中予防に役立つ可能性があると
いう。

鉄欠乏は世界の20億人にみられ、近年の研究では、鉄欠乏が脳卒中の危険
因子である可能性が示されているが、その機序は不明だ。

Shovlin 氏は、「鉄が足りないと血液中の血小板がくっつく。これによって
鉄欠乏が脳卒中の原因となる理由の説明がつくと思われる。ただし、この
関係を証明するにはさらに多くの研究が必要である。次の段階は、高リスク
患者が鉄欠乏を治療することで脳卒中が発症する可能性が低減するかどうかを
調べることだ」と述べている。




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