ビタミンEに肝臓がん予防効果の可能性 中国研究 | アクティブエイジング アンチエイジング
[ビタミンEに肝臓がん予防効果の可能性 中国研究]

(あなたの健康百科  2012年11月16日)


中国・上海交通大学医学部のWei Zhang氏らは、上海に住む人々を対象に
行われた研究データを検討し、食事やサプリメント(栄養補助食品)から
ビタミンEを取ることで、肝臓がんになるリスクが低下する可能性が示された
と、米医学誌「Journal of the National Cancer Institute」(2012; 104:
1173-1181)に発表した。



<リスクが48%低下>
肝臓がんはがんによる死亡原因として世界で3番目に多く、がん種別の罹患率
でも男性で5番目、女性で7番目に位置付けられている。
肝臓がんの約85%は発展途上国で発生しており、中国だけで54%を占めて
いるという。


Zhang氏らは、上海女性健康研究(参加者の登録1997~2000年)と上海男性
健康研究(同2002~2006年)の参加者13万2,837人のデータを使い、
ビタミンEの摂取と肝臓がんリスクとの関係を検討。
食品の摂取頻度に関するアンケート用紙を使った対面調査を行い、参加者の
食習慣に関するデータを収集した。
試験開始後2年間を除いた追跡期間中(女性研究は10.9年、男性研究は
5.5年)に肝臓がんと診断された267人(女性118人、男性149人)だった。

解析の結果、食事またはサプリメントからのビタミンE摂取は肝臓がん
リスクの低下と関連していた(48%のリスク低下)。
この関連は、自己報告による肝臓病の既往歴や肝臓がんの家族歴に関係なく
認められたという。


Zhang氏らは「ビタミンEの摂取と肝臓がんリスクとの間に、明らかな関連が
認められた」と結論。
男性と女性ではリスク推定値に若干の差があった点については「男性研究の
追跡期間が短いことが考えられる」と指摘している。



http://kenko100.jp/news/2012/11/16/02