歯肉炎による歯の損失が多いほど、関節膨脹のリスクが大 | アクティブエイジング アンチエイジング
[歯肉炎による歯の損失が多いほど、関節膨脹のリスクが大]

(nikkei BPnet  2012年6月13日)


<学会ダイジェスト:第13回欧州リウマチ学会>
<2012年6月6日~9日  Berlin Germany>


歯周炎は歯を失う主要な原因とされるが、関節リウマチ(RA)の発症
リスクが高いRA患者の1親等血縁者(FDRs)を前向きに追跡したところ、
歯の本数が少ない人ほど、関節膨脹を発症するリスクが高いことなどが
示された。

6月9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会で、イタリア
Hopitaux Universitaires de GeneveのAxel Finckh氏らが発表した。


対象は、RA患者の1親等血縁者でRAと診断されていない健常者で、
2010~2011年に登録された366人(女性73%、白人93%、平均年齢41歳)。

ベースライン時に歯の本数、喫煙、体重、身長などを測定し、年に1回、
RAの兆候について評価を行い、関節膨脹数(TJC28/SJC28)、RF、ACPA、
朝のこわばりなどを確認した。

ベースライン時の歯の本数は平均28本だった。
内訳は、20本以下群6%、21~27本群20%、28~31本群46%、32本群
28%。

各群について、関節膨脹の発症リスク(年齢、性別、喫煙、BMI、エピソード
で補正後のオッズ比)を調べたところ、歯の損失がない32本群を1とした
場合に、各オッズ比は、20本以下群で8.1、21~27本群で4.1、28~31本群で
3.6、となった。
歯の損失が0の患者に比べて、最も損失の大きい群(20本以下)のオッズ比は
8.1で、朝のこわばりについてみてもオッズ比は 5.3となった。


また関節膨脹が1以上の人は、関節膨脹が0の人に比べて、有意に歯の平均
本数が少なかった(26本 対 29本、P<0.004)。

 
Finckh氏は、「本研究から、RAハイリスク群における関節膨脹の発症
リスクを、歯の本数で予測できることが示された。歯周病とRAの関連は
まだ明らかになっていないが、歯周病による慢性的な炎症は、将来的に
関節膨脹につながることを示唆しているのかもしれない」とまとめた。 

(日経メディカル別冊編集)


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/eular2012/201206/525367.html