[虫歯菌が脳出血リスク4倍 浜医大など英誌に発表]
(中日新聞 2011年9月28日)
<予防薬の開発に道>
成人の7%ほどが保菌者とみられる特定の虫歯菌が、脳出血のリスクを約4倍
高めることを浜松医科大の梅村和夫教授、外村和也特任助教、聖隷浜松病院の
田中篤太郎脳神経外科部長らのグループが突き止めた。
27日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に発表した。
菌表面に特殊なタンパクがあり、これを標的にした予防薬開発につながる
可能性がある。
このタイプの菌は「Cnm陽性う蝕原因菌」と呼ばれ、保菌者の口から、抜歯や
歯磨きを介して血液中に入る。
成人の70%以上は何らかの虫歯菌を持つが、うち10%ほどがこの菌の保菌者
という。
研究では、このタイプの菌と普通の虫歯菌を、脳出血を起こしたマウスに
投与。
違いを調べ、細菌表面にあるコラーゲン結合タンパクが、出血を悪化させて
いる可能性が高いことを突き止めた。
このタンパクが血管内皮の裏にあるコラーゲン層に結合すると、層を溶かす
酵素が活性化するほか、血を止める血小板の凝集を妨げることも分かった。
また聖隷浜松病院の来院者ら109人の唾液を調べたところ、脳出血患者の
27%からコラーゲン結合タンパクを検出。
患者でない人からの検出率と比較して計算すると、脳出血リスクは約4倍に
なる。
梅村教授は「口内を衛生的に保てば脳出血患者の再発予防に役立つ可能性が
ある。菌は母親から子に移るので、保菌者かどうかが分かれば、移さない
予防策をとることも可能になる」と話している。
グループでは菌の判定キットも開発済みで、検査時間短縮など改良を加え
製品化する方針。
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110928/CK2011092802000138.html?ref=rank
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